橋下徹市長vs.藤井聡・京大大学院教授で盛り上がる「大阪都構想」。メリットは「シロアリ駆除」ができることではないか
大阪都構想を進める橋下徹市長と松井一郎府知事 photo Getty Images

2月9日の本コラムで「橋下徹・大阪市長vs.内閣官房参与の大阪都構想めぐるバトルが、案外面白い」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42011)を取り上げたら、当事者の一人の藤井教授から丁寧なコメントがあった(2月11日 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42056 と2月27日 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42289 )。

今回は、藤井教授と橋下市長の両者の意見がどうして異なるのかを明らかにしよう。筆者は東京生まれ、東京育ちで部外者だ。藤井教授も大阪市民でないが、関西の人なので、筆者としては、やはり聡明な両者による議論を期待したい。それが、5月17日に予定されている住民投票のために、重要な情報提供になるはずだ。

 橋下市長vs.藤井教授

2月27日の藤井教授の論考は「大阪都構想のデメリット」とある。そこで、ここでは「大阪都構想のメリットとデメリット」を明らかにしよう。もちろん、メリットといっても見る立場によってはデメリットに見えることもあるので、読者はよく留意していただきたい。この意味では、今回のコラムは、藤井教授の見解と大阪都構想の論点整理でしかない。なお、引用する資料は、上にでている論考の中で引用されているものだけばかりであるので、あえて繰り返さない。

藤井教授は、次の興味深い喩えを出している。

『一つ屋根の下で暮らしている五人家族がいたとしましょう。この五人が、今度からバラバラに暮らし、それぞれアパートに住むようになったとしましょう。そうなると、トイレ、台所、風呂、テレビや洗濯機等、全てを共同利用していたのですが、これからは、それぞれのアパートに、トイレ、台所、風呂などを作らなければならなくなります。それが、「独立」というものですから当たり前です(大阪市解体、5つの特別区の設置、とは、こういう風に解釈することもできるのです)。』

『つまり「都構想」というものは、行政の仕組みから考えれば、「五人家族で一つの家に暮らしていた」(現状の大阪市)のに、これからは「5つのアパート」(特別区)と「1つの共同利用のための家の一部」(一部事務組合)との6つを利用して暮らすようにする、という話なわけです。』

この喩えを使って、大阪都構想をみよう。ただし、この喩えには、①五人家族で暮らしていて独立するところにやや正確性を欠いていることと、②大阪府が出てこないことの二つの留意点がある。