賢者の知恵
2015年03月07日(土) 週刊現代

人物ルポ 新聞広告で、やたら目につく謎の男 深見東州 歌って踊る教祖の「素顔」

週刊現代
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ジャーナリスト:長谷川学

奇妙な仮装に身を包み、オヤジギャグをちりばめた、書籍やイベントの大広告を続々と新聞に載せている「謎の人物」。多額のカネを集め、政治家ともつながる知られざる男の「目的」とは—。

1年で643回も紙面に登場

昨年の12月9日、東京・文京区の老舗ホテル「椿山荘」でチャリティーショーが開かれていた。客席のテーブルに載せられたキャンドルを見て、司会役の男はこう言った。

「別のプレーに使わないように」—。

彼こそ、新興宗教団体「ワールドメイト」の教祖・深見東州(63歳)である。ロウソクをSMプレーの道具に見たててギャグを飛ばしたのだ。

私がワールドメイトに関心を持ったきっかけは、深見の顔写真が入った、大々的な新聞広告だった。深見は、本を出版し、コンサートや演劇などを頻繁に催す度に、自分の写真入りの広告を全国紙などに大きく載せている。

広告の出稿元は、「東京芸術財団」など一見、新興宗教とは無関係に見える様々な組織。だが、いずれも深見が代表などをつとめる団体・企業だ。

驚くのは広告の数だ。朝日新聞全国版や地方紙、スポーツ紙に掲載された新聞広告を数えたところ、昨年1年間だけで643回も広告を出していた。

恐らくこれだけで年間10億円以上の出費になると見られる。

「万能の天才」「現代の弘法大師」「21世紀のレオナルド・ダ・ヴィンチ」。広告のなかで深見は、自らをそう称している。

深見と親しい亀井静香元金融・郵政改革担当相が話す。

「深見は多才だが、自分のことを〝天才〟なんて言うから誤解されるんだ。彼のことを異端の宗教家と言う人もいるが、歌って踊って、楽しい宗教もいいじゃないか」

大物政治家をも取り込む深見東州。彼はいったい何者なのか。そしてなぜ、かくも潤沢な資金があるのだろうか—。

深見東州(本名・半田晴久)は1951年、父・利晴の長男として兵庫県西宮市で生まれた。

深見への密着インタビューを元に構成された事実上の自叙伝『深見青山—その天才の秘密をさぐる』『なぜ、人は神を求めるのか—深見青山との対話』(「青山」は深見の以前の呼び名)などによると、生家は代々、酒樽製造業を営み、一時は酒どころ神戸・灘の名だたる酒蔵の酒樽作りを一手に担う「日本一の酒樽屋」だったという。

次ページ だが、神戸市の灘、東灘と西宮市…
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