サッカー
二宮寿朗「PK戦を制すために」

「時の運」では済ませたくない

「PK戦は時の運」とよく言う。
 1月にオーストラリアで開催されたアジアカップ。日本代表は準々決勝でUAE代表と1-1で決着がつかず、PK戦にもつれこんだ。1人目に本田圭佑が大きく外し、後攻のUAEも3人目で外した。そして迎えた6人目、香川真司が決められず、5大会ぶりにベスト8止まりという屈辱の結果に終わった。

 嫌な予感はしていた。
 日本は中2日ながら先発メンバーを固定し、エンジンが掛かっていない立ち上がりに今大会初失点を喫した。その後、持ち直してギアを上げて怒とうの攻撃を見せたものの、35本放ったシュートのうち、ゴールネットを揺らしたのは途中出場の柴崎岳のわずか1本のみ。逆にUAEはわずか3本のシュートのうち、1本を決めた。

 追加点を奪えそうで奪えなかった日本と、何とか耐えきったUAE。PK戦に入る前、心理的にはUAEのほうが気楽に入れたのかもしれない。

 しかしながら「時の運」では済ませたくない。
 トーナメントで勝ち抜くためにはPK戦を乗り越えていかなければならない。アジアカップで優勝した2004年の中国大会(準々決勝ヨルダン戦)、11年のカタール大会(準決勝韓国戦)では、1度ずつPK戦を経験している。4位に終わった07年の東南アジア大会は2度、行なっている(準々決勝オーストラリア戦、3位決定戦韓国戦)。

 世界の舞台に目を移せば、10年の南アフリカW杯決勝トーナメント1回戦でパラグアイ相手にスコアレスでPK戦に突入し、涙をのんだことは記憶に新しい。アジアでも世界でも、PK戦に一喜一憂してきた歴史がある。