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「極ZERO」騒動 前代未聞!「払った税金115億円、やっぱり返して」サッポロビールに天下の国税が負けるのか
〔PHOTO〕gettyimages

千載一遇のチャンスが巡ってきた—。国税に狙い打ちされ、115億円の税金を納めたサッポロビールがついに反撃の狼煙をあげた。「極ZERO」を巡る騒動が再燃、両者の全面戦争が始まる。

返還要求は「予定通り」

「国税庁から指摘を受けた当初から、『極ZERO』は第3のビールで間違いないと考えてきました。我々としては、それに則って返還を要請しただけです。

この要求が受け入れられるか否かは、国税が判断することですから、我々はその判断を待つだけ。こちらからは、いつまでに回答してくれという期限は申し出ていません。国税からも、いつまでに決めるということは明言されていない。事態の決着には、時間がかかるかもしれません」

本誌の取材に対し、こう語るのは、サッポロビールの尾賀真城社長だ。

今、国税とサッポロビールの間に、一大事件が勃発している。「払った税金115億円を返して欲しい」と、サッポロビールが国税に対し返還要求を起こしているのだ。

「長い酒税の歴史の中で、100億円を超える返還要求はいままでありません。まさに前代未聞の出来事です。国税がこの要求にどう反応するのか。これは、今後の酒造メーカー全体と国税の関係を左右しかねない問題に発展します」(ビール業界に詳しいジャーナリストの永井隆氏)

争点になっている「極ZERO」は、今やお馴染みとなった「プリン体ゼロ・糖質ゼロ」を初めて謳い、'13年6月の発売を皮切りに大ヒットを飛ばした人気商品。「その金の卵」を取り巻く状況が急変したのは、昨年1月のことだった。「『極ZERO』は第3のビールにあたらないのではないか」と国税が指摘したことを受けて、サッポロビールは自主的に『極ZERO』の販売を中止。同7月には登録を発泡酒に切り替えて再発売するという異常事態となった。

「発泡酒としての再発売は、サッポロビールにとって苦渋の決断だったでしょう。しかし、年間を通して最もビール系飲料の売り上げが伸びる夏場を前に、同社はなんとしてでも『極ZERO』を復活させたかった。人気商品が終売となれば、社の経営に響くという判断がありました。

結果的に発泡酒扱いになっても『極ZERO』の人気が衰えなかったのは、不幸中の幸いだった。しかし、この騒動でサッポロビールが大打撃を受けたのは紛れもない事実です」(全国紙経済部デスク)

時期を同じくして、同社は第3のビールとして過去に納めた税額と、「発泡性酒類」として計算し直した税額との差額115億円を自主的に納付した。それと同時に、延滞税として1億円も支払っている。

サッポロビールの振る舞いは、まるで国税に対して「全面降伏」したかのように映った。しかし、実態はそうではなかった。サッポロビールは反撃の時を虎視眈々と狙っていたのだ。

「社内では、今回の返還要求を『当然だ』と捉える向きが大勢を占めています。そもそも、国税が『極ZERO』を発泡酒ではないかと言ってきたときも自主調査を行いましたが、第3のビールとして問題はないという結果がでていたんです。

それでも115億円を納付したのは、もしウチに問題があることが分かってから納付すれば、それまでの期間で膨れ上がった延滞税も払わなければいけなくなるからです。実は、当初から社内ではとりあえずおカネを払っておいて、後に確証が得られれば返還要求をするという取り決めがありました」(サッポロビール幹部社員)

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