【有料会員限定記事】ただ歩いていてもダメ。早足、できればジョギングを!/グレッチェン・レイノルズ
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加齢による運動能力の劣化は本当に避けられないか?

適度なランニングは若さを取り戻してくれるが、ウォーキングはそうでもない。そんな注目すべき研究結果が、運動をする高齢者を対象にした調査でわかってきた。この研究結果をみれば、次のような疑問が湧いてくるに違いない。それは最大の効果を得るには、スピードを上げればよいのかという疑問だ。

ウォーキングは素晴らしいエクササイズだ。この考えに異論はない。ウォーキングを習慣としている高齢者は、習慣化していない高齢者と比べて、肥満や関節炎、心臓疾患、糖尿病の割合が少なく、平均寿命が長い。実際に医師や科学者は、どれだけ早く、どのぐらいの距離を歩くことができるのかを年齢別による健康の指標として、長年採用してきた。

しかし研究者と高齢者自身は、ウォーキングの能力は年齢とともに衰えることに気づいてもいる。運動といえば歩くことぐらいという高齢者は、歳を取るにしたがい、歩く速度が遅くなり、歩行に支障をきたし、疲れやすくなっていく。

一般的には身体的な衰えは避けがたいものだと考えがちだ。また生理学者も、加齢による歩行時の経済性悪化を示す研究結果を過去にいくつも発表してきた。それは、高齢になれば、一歩進むのにより多くのエネルギーを使うようになる。つまり体を動かすのが困難になり、疲れやすくなるということだ。

しかし高齢者の加齢による運動能力の劣化は、本当に避けられないのだろうか。もしかしたらほかの運動、とくにランニングにより、劣化の進行を抑えられ、さらには回復できるのではないだろうか。そんな疑問がコロラド大学ボルダー校とフンボルト州立大学(カリフォルニア州アルカタ)の研究者の間で持ち上がった。

幸運なことにボルダーには運動好きな高齢者が、ほかの地域では見られないほど大勢住んでいる。研究チームは、潜在的な研究対象の不足に悩まずにすんだ。スポーツジムで汗を流す人、ジョギングやウォーキングを楽しんでいる人に声をかけ、60代後半から70代前半の男女30人を、被験者としてすぐに勧誘できた。

そのうち15人は週のうち少なくとも3日、30分以上のウォーキングをしていた。それ以外の15人は、毎週少なくとも3日、30分以上のジョギングをしていた。ジョギングの速度には幅があったが、ゆっくりとしたペースの人が大半だった。

科学者チームは被験者全員をコロラド大学のロコモーション研究所に集め、ウォーキングをする被験者(ウォーカー)とジョギングをする被験者(ランナー)に同じ検査を行った。検査は特別な装置を施したランニングマシーンを、スピードを変えて3回歩くものだ。どのセッションも、速度を次第にあげていった。ランニングマシーンは、被験者の身体機能を測定するために、被験者の足がどのように着地しているのかを計測するよう改良されていた。

また被験者にはマスクを装着させ、摂取する酸素量を測定した。酸素摂取量は、基礎的な代謝機能を測定するために使われた。

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