ドル高に修正圧力もかかりだした。米多国籍企業が懸念、日銀が追加緩和のマイナス面を認識
G20では「ドル高」は容認されたはいたのだが…… photo Getty Images

1月の雇用統計の発表を境にドル円のレンジが切りあがっている。FRBの利上げ期待がある一方、世界的には金融緩和が支持されているからだ。そうした環境下、米国の金融機関の経営者から、ドル高のマイナス面を指摘する声が出始めた。

ドル高、他通貨安のために、海外で得た収益を米ドルに換算すると、収益が目減りしてしまう。こうしたマイナス面は、米国の主要企業の経営者にとって頭痛の種だろう。それは米国の経済成長を阻害する要因でもある。ドル高一辺倒の動きは慎重に考えた方が良い。

ドル高がもたらす米経済の下方リスク

2月10日、米大手投資銀行ゴールドマンサックスのコーンCOO(最高執行責任者)は金融メディアとのインタビューの中、多くの国が金融緩和を引き下げる通貨切り下げ競争の中、ドル高が進んでいることに対して懸念を示した。

この発言は、米国経済が抱える問題を端的に示している。FRBによる利上げ期待がドル高を支えている。だが、インフレ率は依然として低い。そのため景気の脆弱さを指摘する声も否定はし切れない。そして、ドル高は多国籍企業の収益に打撃を与え始めている。

これは米国政府にとっても無視できないリスクだ。輸入にとってドル高は有利だ。原油安の影響もあり、ドルは米国の購買力を高めている。しかし、大手企業の海外売上や米国の輸出振興策にとって、ドル高は大きな痛手といえる。これは明らかにマイナスだ。

ドル高は米企業決算の先行きに対する慎重な見方にもつながっている。今後もドル高が続くならば、欧州勢による米国市場への攻勢など競争が激化する可能性もある。国内外で米国企業はドル高や競争激化といった逆風に直面する可能性が高まっている。

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