ドイツ
ウクライナ問題に特効薬はない!? ヨーロッパの今後を大きく左右する歴史的4者会談に注目
左からドイツのメルケル首相、ウクライナのポロシェンコ大統領、フランスのオランド大統領 〔PHOTO〕gettyimages

東部が混沌としている限り、EUはウクライナを見捨てない

2月5日、ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領がキエフに飛んで、ウクライナのポロシェンコ大統領と会談したというニュースが、すごく唐突に飛び込んできた。間違いなく、ウクライナ紛争がEUにとって深刻さを増してきた証拠だ。

しかし同日、NATOは、ポーランドとバルト3国への緊急展開部隊の配置を決定した。最高指令を司るのがドイツだ。部隊の名前は「槍先」。これがロシアとの戦闘を意識しているものであるのは明らかで、見ようによっては最大の挑発ともいえる。一方で和平への努力、もう一方では威嚇。欧米の政治は、一筋縄ではない。

ウクライナのポロシェンコ大統領は、大統領とはいうものの、何の重みもない。反民主主義だとか、汚職まみれだとか言って追い出したヤヌコヴィッチ前大統領より、民主的でクリーンであるという確証もない。本当に紛争を終わらせたいのかどうかも分からない。東部が混沌としている限り、EUはウクライナを見捨てない。

ウクライナ軍と親ロシア派との内戦が始まってすでに9ヵ月、状況は本当に混沌としている。すでに5400人が命を落とした。ウクライナ軍が親ロシア派に、士気でも装備の点でもずっと劣っていることは、いかんともしがたい。ここでEUに見放されては、ポロシェンコ大統領はあっという間に奈落の底に落ちるだろう。おそらく、すでに亡命先を見繕っているかもしれない。気の毒なのは、いつものことながらウクライナの住民だ。

ポロシェンコ首相は、EUに武器の支援を執拗に要請している。それがないと、親ロシア勢力の攻勢に耐えられない。アメリカも同じく、ドイツがウクライナに武器を提供するよう、かなりの圧力をかけてきている。しかし、武器支援は火に油を注ぐだけで、紛争の鎮静化には役立たないというのが、ドイツ政府の見解だ。ポロシェンコ大統領、メルケル首相、オランド大統領の三者会談の後、記者会見は中止され、何が話し合われたかはわからない。

ドイツが武器支援を拒否したことに腹を立てたアメリカのジョン・マケイン上院議員は、翌6日、ドイツの第2テレビのインタビューで、こう言った。

「メルケル首相は物事が理解できていないか、ウクライナの人間が虐殺されることをどうでもよいと思っているかのどちらかだ」

この発言にドイツ人は呆れ、ある議員はツイッターで、「我々は、カウボーイではなく、ちゃんと言動を吟味できる首相を持っていて幸せだ」と応酬した。

左からメルケル首相、ロシアのプーチン大統領、オランド大統領 〔PHOTO〕gettyimages
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