大阪都構想:隠された真実を考える
~なぜ、大阪市民の税金は、市『外』に流用されるのか?~
文/京都大学大学院教授 藤井聡

「現代ビジネス」2月9日公開、高橋洋一氏原稿に藤井聡氏から反論が寄せられた

住民投票で一番大切なのは、必要な事実を共有すること

現大阪市長と私藤井との間の、いわゆる大阪都構想(以下「都構想」と呼称)を巡るバトルが、俄にネット、メディア上で取り上げられた。事の発端は、当方が購読者3万人程度の小さなネットメディアにて、「大阪都構想:知っていてほしい7つの事実」(http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/01/27/fijii/)なる記事を本年1月27日に公表したことだった。

しばしば、藤井は「都構想」について刺激的な発言をしたと思われている様だが、上記記事をご覧いただければすぐにご了解いただける様に、その論調は至って淡々としたものだ。そもそもこの記事は、「賛否はさておき,(投票)判断に向けて大切な,いくつかの『事実』の情報を提供したい」と明記してある通り、「都構想」を頭ごなしに否定するようなものではない。

にも関わらず、大阪維新の会からは幹事長(つまり大阪府知事)名義で、当方に対して「激しい憤りの抗議」を表明すると同時に、党代表(つまり大阪市長)と「公開討論」を要請する文書が送られてきた。そしてその前後から、大阪市長のツイッターや記者会見等での当方に対する粘着質な罵倒が繰り返され、挙げ句に本学総長や国会にまで問いただすと宣言するまでに至った。

こうした状況に対する当方の対応は既に、HP『権力による言論封殺には屈しません』(サトシフジイ ドットコムhttp://satoshi-fujii.com/)にて公表しているのでそちらをご参照願いたい。今、大阪で何が起こっているのかを、是非、知っていただきたいと思う。

それはさておき、こうした騒動がメディア上で「過激なバトル」として様々に取り上げられたが、今回の一連の「騒動」の発端となった『7つの事実』の原稿は、そうした騒動の過激さからはほど遠い程に穏やかな内容だ。それはただただ、「都構想」の住民投票に関連する次の様な7つの「事実」を淡々と指摘するものだった。

事実1:今回の住民投票で決まっても、「大阪都」にはなりません。
事実2:今の「都構想」は、要するに「大阪市を解体して五つの特別区に分割する」ことです。
事実3:年間2200億円の大阪市民の税金が市外に「流出」します。
事実4:流出した2200億円の多くが、大阪市「外」に使われます。
事実5:特別区の人口比は東京は「7割」、でも大阪では「たった3割」
事実6:東京23区の人々は、「東京市」が無いせいで「損」をしています。
事実7:東京の繁栄は「都」という仕組みのせいでなく、「一極集中」の賜です。

これらの事実は、それをメリットと見るかデメリットと見るか、どう解釈するかは人それぞれだが、知っているかどうかは「都構想」の投票判断に直接間接に影響を及ぼし得るものばかりである。