イスラム国ほかテロとの戦いと、集団的自衛権の行使容認との関係を、安倍政権はなぜ曖昧にするのか
テロとの戦いと集団的自衛権の行使容認との関係について、はっきりしない安倍政権 photo Getty Images

テロとの戦いは集団的自衛権の行使容認と関係があるのかないのか。この問題について安倍晋三政権の姿勢がいまひとつ、はっきりしない。

 国際的連携の強化でしか日本は立ち向かえない

「事件を利用して集団的自衛権の必要性を強調したくない」という政治判断もあるかもしれない。あえて言おう。テロにも外国からの脅威に対しても、日本は国際的連携を強化する中でしか立ち向かえないのだ。

まず、安倍政権が昨年7月に決めた閣議決定(http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/pdf/anpohosei.pdf)の文言を確認したい。そこには「国際的な平和協力活動に伴う武器使用」という項目の中で、邦人救出問題について次のように書かれている。

ーーーーーーーー
いわゆる「駆け付け警護」に伴う武器使用や「任務遂行のための武器使用」については、こ れを「国家又は国家に準ずる組織」に対して行った場合には、憲法第9条が禁ずる「武力の行使」に該当するおそれがあることから、国際的な平和協力活動に従事する自衛官の武器使用権限はいわゆる自己保存型と武器等防護に限定してきた。

(中略)自国領域内に所在する外国人の保護は、国際法上、当該領域国の義務であるが、多くの日本人が海外で活躍し、テロなどの緊急事態に巻き込まれる可能性がある中で、当該領域国の受入れ同意がある場合には、武器使用を伴う在外邦人の救出についても対応できるようにする必要がある。

以上を踏まえ、我が国として、「国家又は国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場しないことを確保した上で、国際連合平和維持活動などの「武力の行使」を伴わない国際的な平和協力活動におけるいわゆる「駆け付け警護」に伴う武器使用及び「任務遂行のための武器使用」のほか、領域国の同意に基づく邦人救出などの「武力の行使」を伴わない警察的な活動ができるよう、以下の考え方を基本として、法整備を進めることとする。

(中略)自衛隊の部隊が、領域国政府の同意に基づき、当該領域国における邦人救出などの「武力の行使」を伴わない警察的な活動を行う場合には、領域国政府の同意が及ぶ範囲、すなわち、その領域において権力が維持されている範囲で活動することは当然であり、これは、その範囲においては「国家に準ずる組織」は存在していないということを意味する。
ーーーーーーーー


この文書は集団的自衛権の行使を容認するための閣議決定なので、邦人救出問題も集団的自衛権にかかわる文脈で議論されてきたのはたしかである。だから、頭から両者が無関係とはいえない。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら