「文章力は、伝達力の基本」
【第18回】「具体的に書く」とはどういうことか?

〔PHOTO〕Thinkstock

【第17回】はこちらをご覧ください。

前回、誤解させる文章の弊害について解説しました。「わからない文章」よりも「誤解させる文章」の方がたちが悪いです。そして、誤解を防ぐためには、「具体的に書くこと」が重要です、という話をしました。

では、「具体的に書く」とはどういうことか? どうすれば「具体的に書く」ことができるのでしょうか? じつは次の2つを守って言葉を使えば、具体的に書くことができます。

・動詞:具体的に行動できる動作を表す動詞を使う
・形容詞&副詞:全て数字に置き換える

動詞:具体的に行動できる動作を表す動詞を使う

わたしたちが普段使っている動詞の中には、具体的な行動を表していないものがあります。たとえば、「ちゃんとやっておく」「うまく処理する」という表現があります。ビジネスシーンではよく聞く「動詞」です。

ですが、この「ちゃんとやっておく」「うまく処理する」という動詞は、具体的な行動を何も表していません。「ちゃんとやっておく」という「動作」はないのです。そのため、読み手によって解釈が変わってしまいます。

上司から仕事を任されて「ちゃんとやっておくように」とメモ書きを渡されたとします。ところが、「ちゃんとやる」という動作がないので、みなさんは自分で考えて「ちゃんとやろう」とします。

それがたまたま、上司がイメージしていた行動と同じであれば問題は起こりません。しかし、イメージと違っていたら、「ちゃんとやっておけと言っただろう!?」と怒られてしまうでしょう。

同じように、トラブルが起きて、「うまく処理をしろ」とだけ言われても、何をどうしていいのか分かりません。言われた方は「失敗するな」と受け取り、やり方は自分で考えるしかないのです。

みなさんもこういう指示を受けると非常に困りますよね。ということは、みなさんが書いた文章に同じような「動作を表さない動詞」があると、読み手は混乱し、独自の解釈をするということなのです。

ではどうすればいいか? 行動分析学の「MORSの法則」が参考になります。

行動経済学では、以下の4つの条件をクリアしたものを「行動」と定義しています。

【MORSの法則】
Measured(計測できる、数値化できる)
Observable(観察できる、他人が見てどんな行動をしているか分かる)
Reliable(信頼できる、誰が見ても同じ行動だと定義できる)
Spesific(明確化されている、何をどうしているか明確になっている)

要するに、何をどうすべきか(Spesific)を数値でとらえることができ(Measured)、誰が見ても同じ行動を思い浮かべることができ(Reliable)、傍から何をしているか一目瞭然で判別できる(Observable)動作が「行動」なのです。

であれば、読み手に何らかの行動を促したいのであれば、そのように伝えなければいけません。「ちゃんとやっておくように」と伝えたいのであれば、具体的に行動できる内容/目指せる状態を書くべきです。

たとえば、こういった感じに。

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・商品を○月○日までに、お客様に届けておくように
・その施策が最も有効か試算して、必要な経費を算出しておくように
・品切れが起こらないよう、在庫を確保しておくように
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「うまく処理をしろ」は、もしかしたら「顧客からの注文を、今まで通りもらえるように、様々な手を尽くしておけ」という意味かもしれません。

だとしたら、このように書くべきです。

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顧客からの注文を継続してもらえるように、どのような対策が必要か考えて、実行しろ。経費がかかる案については、随時相談を上げること。これを今週中に行え
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