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年収は3000万円! GPIFのツー・トップにすぐやってほしい我々の年金積立金を守るための4つのこと

三谷隆博GPIF理事長は年収約3100万円、約130兆円の我々の年金積立金を守れるか photo Getty Images

理事長3100万円、CIO3000万円は適正価格か

春闘の季節の少し前だが、大幅賃上げが決定した景気のいい組織がある。約130兆円に及ぶ公的年金の積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)だ。

組織のトップである三谷隆博理事長が年収約3100万円、投資の責任者であるCIO(Chief Investment Officer)が約3000万円となる。その他に運用に携わる専門職で月給が最高145万円で、運用成績によっては理事長の年収を上回るような成果給を導入する場合もあるという。理事長の年収は64%ほど増えるとのことであり、景気のいい話ではないか。

厚労省は、バランス上、理事長が日銀総裁の年収(約3400万円)を超えないくらいがいい、というレベル感を持っていたようだ。

トップクラスで約3000万円といった水準は「適価」だと思う。

運用成績に関するプレッシャーはあるはずだが、それは、投資信託会社の若手ファンドマネジャーなどにもある。GPIFという「究極のバイサイド」の仕事で3000万円は条件的に悪くない。

「バイサイド」というのは金融業界用語で、証券会社に注文を出す立場のファンドマネジャー側を指し、注文を受けて手数料を稼ぐ証券会社側を「セルサイド」と呼ぶ。自社を選んで貰って注文を頂く側よりも、注文を出す側の方が心理的立場が強い。通常、接待をするのがセルサイドで受けるのがバイサイドだ(GPIFのような組織では接待を受けることに制限があるはずだが)。はっきり言うなら、バイサイドの方が仕事が楽で、気分がいいのだ(その代わり、セルサイドの方が報酬が高いことが多い)。

但し、ここ30年くらいの間に、ヘッジファンドの登場で、巨万の富を稼ぐバイサイドが登場した。とはいえ、年金基金のような投資家に求められるのは、ヘッジファンドのファンドマネージャーような人材よりは、むしろ、ヘッジファンドのようなものに引っ掛からないクリアな頭脳の人材だ。

総合的に見て、バイサイドで3000万円はまあまあの条件だから、それなりに職を大切にできるだろう。加えて、GPIFで大きな金額を動かすことの満足・名声・経験などを考えると、キャリア・パスとしても悪くない。将来、運用成績が悪くて解任されたとしても、GPIFの運用を内部から知る運用担当者には、転職市場で十分なバリューがあるだろう。

一方、例えば、政治家や官僚、あるいは御用有識者達の運用への介入が理不尽である場合に、3千万円くらいの年収なら、正々堂々と喧嘩をして、さっぱり辞任しても惜しくはあるまい。

そこそこに大切で、しかし、いざという時には捨てられる、という意味で、年収3千万円はいい設定だと思う。

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