主要国の「通貨切り下げ競争」下、FRBは本当にハト派になったのか?
ハト派のFRB photo Getty Images

1月28日、米連邦準備理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明の中で、米国の景気に対する認識を引き上げた。それと同時に、前回と同様、委員会は金融政策の正常化に対して、“忍耐強く(can be patient)”という表現を使用した。

この声明を市場は利上げに慎重=ハト派と評価し、市場関係者の間では利上げが遅れるとの見方が増えている。基軸通貨ここである米国の金融政策は、グローバルな金融情勢に大きな影響を与える。そのインパクトは軽視すべきではないだろう。今後の米金融政策を考える上での重要なポイントの一つだといえる。

ハト派な声明の内容

FOMCは景気に対する評価を、前回の緩やかな回復(moderate)から、しっかりした(solid)に引き上げた。この背景には、労働市場の改善や、エネルギー価格の低下によって家計の購買力が上昇しているとの見方がある。

景気に対する認識には、金融正常化に向けて、投資家の認識を緩和から引き締めへと少しずつ誘導したいというFRBの意図が隠されていると言えよう。相当な期間、低金利を続けるという、前回までの記述が削除されたのも、この意図の表れと考えられる。

一方、ハト派と受け取られた根拠になったのが、エネルギー価格の下落によるインフレ率の低下、そして、足許の金融情勢や国際情勢への配慮だ。インフレ率の下落が明記されたことは、市場が金利低下を見込む重要な材料になったといえる。

その上で“忍耐強く”という認識が示され、FOMCの声明はハト派色を帯びていると市場から評価されたと考えられる。今後については、世界的な金融情勢がどうFRBの判断に影響しうるのか、その重要性は増しているといえるだろう。

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