シリコンバレーのスーパースターが続々集結! テクノロジーで行政・社会の変革を目指す「米国政府デジタル・サービス」

私たちは今日、スマートフォンでニュースを読んだり、動画コンテンツを視聴したり、必要なものがあれば遠隔地にいてもアマゾンなどのeコマースサービスサイト上の数クリックで買い物も可能になり、欲しいモノ・サービス・情報を簡単に手に入れることができます。

もし政府・行政サービスも同じような使いやすいサービスを提供することができたら、いや、そうすべきである、というアイデアは長い間期待と注目が集まっている分野です。米国の地方自治体などではすでに「Code for America*」と呼ばれるウェブ・プロフェッショナルを派遣するフェローシッププログラムなどが生まれつつあります。米国連邦政府レベルでも少しずつこうしたトレンドが進み、すでにパイオニアとして成功実績を残している英国政府の事例(GOV.UK)に倣い、本格的な取り組みを始めつつあるようです。

日本国内でも気象情報や年金給付額の確認など、少しずつデジタル化が進んでいますが、米国の様子、そしてそこに集結しつつある人材や全体のダイナミックな動きを見るにつけ、まだ見ぬ未来を垣間見るような、そんな躍動感を感じることができます。今回はそんな様子の概要をレポートしたいと思います。

優秀な技術者たちがオバマ政権の世紀の大失態を防ぐことに成功

2014年8月に設立されたばかりの「The US Government Digital Service (米国政府デジタル・サービス)」は、民間企業出身のデジタルテクノロジーの専門家を集めた戦略コンサルタント的なチームで、現在25名ほどで構成されています。メンバーの中には、グーグルの元Google Chrome担当リード・エンジニア、アマゾンで3人目に雇われたエンジニア、元ツイッター社のオペレーション・ディレクターなど、シリコンバレーのスタートアップのような優秀な人材が数多く集まってきています。

先月末に公開された人材採用キャンペーンの動画をまずはご覧ください。

動画の中で冒頭に登場するのは、新設されたポジションであるアドミニストレーターとしてこのデジタル・サービス チームを率いる、ミッキー・ディッカーソン(Mickey Dickerson)氏(35歳)、元グーグルのサイト信頼性エンジニア(Site Reliability Engineer)です。

過去にオバマ大統領選挙への参加経験もあり、もともと大規模なウェブサービスがクラッシュすることなく運用されるためのエンジニアリング技術に長けた彼の名前が、一気にワシントン界隈で知られるようになったきっかけは、2013年秋でした。

医療保険改革(オバマケア)の柱であるオンライン保険購入システム「HealthCare.gov」が2013年10月1日のオープン直後にクラッシュし、連日メディアでの批判にさらされている中、オバマ選挙キャンペーンの時の仲間や、グーグルやフェイスブックなどで勤務経験を持つプロフェッショナルが数多く招集され、ディッカーソン氏がその中心人物としてチームをまとめ、サイトを復旧させ、スムーズに運用されるよう成功に導いたからです。

画像:Time誌の巻頭特集記事『コード・レッド〜オバマ政権のトラウマのチーム』(2014年3月)

当時の模様はTime誌の巻頭特集記事『コード・レッド〜オバマ政権のトラウマのチーム』の中で、いかに悪夢のようなプロジェクトが失敗を迎え、ウェブ・プロフェッショナルが急遽各地から招集され、ギリギリの状況からオバマ政権の世紀の大失態を防ぐことに成功したかが詳細に語られています。

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