ひとり息子は13歳で海を渡った 世界の錦織圭から島根の両親(父は土木技術者、母は主婦)へ
小学生時代から「世界一の選手になる」と語っていた錦織〔PHOTO〕gettyimages

見るものをワクワクさせるプレーは、幼少期の遊び心から生まれた。日本人初の4大大会優勝を目指す錦織圭。彼はいかにして島根の田舎から世界へ羽ばたいたのか。その裏には親子の固い絆があった。

父から受け継いだもの

「絶対に勝てないという相手は、世界にもういない」

錦織圭(25歳)は最近、こう口にすることが増えている。

それは事実上の「(4大大会での)優勝宣言」と受けとめていいだろう。昨年の全米オープンで日本人初の決勝に進出。惜しくも敗れ優勝は逃したものの、グランドスラムでの賜杯が届く場所に、錦織は確実に立っている。

現在行われている全豪オープンでは、スタンドに錦織を見守る両親の姿もあった。

「お父さんは、決して目立ちたがり屋ではありません。むしろ、あまり表舞台には出たがらないタイプです。今回も『優勝が見られるかもしれない』と、奥さんと一緒に現地観戦していますが、マスコミの取材に応じるでもなく、あくまで親として息子を見守っています」(錦織の知人)

錦織が生まれたのは島根県松江市。島根県の人口は70万人を割り、東京の世田谷区よりも少ない。「スポーツ王国」とはほど遠い土地で生まれた錦織は、いかにして世界に羽ばたくほどの力を身につけたのか。

JR松江駅から少し離れた住宅街に錦織の実家はある。近隣には大きな運動公園があり、緑が多い落ち着いた雰囲気の街だ。

父はダムや林道を造ったりする土木事業に携わる技術者で、母は主婦。両親とも趣味がテニスで、4歳年上の姉も高校時代はテニスの選手として全国大会にも出場している。