「大局観をもって地域活性化策を練る」 地方都市の再生請負うNPO
NPO法人地域から国を変える会・大山詠司事務局長

本業で培った専門知識を生かして、地方の産業を活性化するNPO法人がある。メンバーは、国家公務員・総合商社・大手広告代理店など官民のビジネスパーソンたち。市や商工会議所と協働し、住民と行政両側の意見を汲み取り、大局観を持ったプランを考案する。

そのNPO法人は、特定非営利活動法人地域から国を変える会(東京・港)。依頼のあった自治体や住民、企業にヒアリングして、専門家やプロボノワーカーを派遣。その地域にあった策を提案している。

クライアントの一つである新潟県三条市は人口10万人で、高齢化率37.5%(県平均19.6%)。国道沿いに大型店舗が進出し、中央市街地の商店街から賑わいがなくなり空き店舗が目立つ。

そこで同団体は、同市で開催される地元市民の定例会への参加や、市内の3つの商店街に参加を呼びかけワークショップを主催するなどし、地域事情の把握に努めた。

話し合いの結果、10年前に閉店した米屋の備蓄庫を、人的交流の拠点となるコミュニティハウスに整備するという企画が生まれた。さらに、商店街に出店するための導線をつくる試みとして、「チャレンジ出店」ができるスペースを設けた。

栃木県那須塩原市は観光地として有名だが、原発事故の風評被害の影響を受けている産業も見受けられた。そこで、同市の青年会議所など地元住民を巻き込んだワークショップを開いた。

強みを生かした差別化策として、「宿泊客相手に別荘として物件を販売」「再生可能エネルギーの地産池消」をミッションに掲げることが決まった。

そのほかにも、下北沢の古民家カフェで出身地別に分けたフォーラムをおこなったり、各市町村のトップと意見交換会を実施している。

「同じ学び舎出身」の絆

同団体のメンバーは、官民合わせて30人ほどいる。それぞれ異なる分野で活動するが、チームワークの良さが売りだ。大山詠司事務局長は、「同じ塾で学び、共感する志を持っているから」と話す。

同じ塾とは、青山社中リーダー塾のこと。同塾では、リーダーシップ教育を教え、塾長は朝比奈理事長が務める。大山事務局長は2011年、そこの一期生として入った。大山事務局長は2005年、東武鉄道に入社し、沿線観光地開発や東京スカイツリータウンなどの企画に携わった。景気は上り調子といわれていても、地方都市が衰退していく様子を目にし、問題意識を持っていた。

そして働きながらも、常に政治について関心を持っていた。あるとき、ラジオで同塾のことを知り、入塾を決意。「大局観を持って物事を見る」ことについて深く学んだという。

塾での学びを生かし、現在、NPOの事務局長として働く中で、大局観を持って地域活性化策を練っている。

その地域の歴史・過去の成功・失敗事例を徹底的に調査し、その地域ならではの価値を生み出す政策をつくりだす。

協力してくれるメンバーも心強い存在。20代~30代と若く、勢いがある。同じ学び舎出身なので、共通の価値観を持ち、議論がスピード感を持って進めていけるという。

 (取材・構成/オルタナS副編集長池田真隆)  

「いまここ」に若者視点をプラスするエシカルメディア「オルタナS」の記事より一部編集・掲載)

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