サッカー
二宮寿朗「アギーレから聞きたい“吸引力のある言葉”」

 インテンシティ(intensity)という言葉がある。
 辞書を引くと「強度」「強烈」「猛烈」などと出てくるが、フットボールの世界では「プレー強度」を指す。チェルシーを率いるジョゼ・モウリーニョなどは、この言葉をよく使っている。
 日本ではあまり馴染みのなかったサッカー用語を浸透させたのが、日本代表前監督のアルベルト・ザッケローニである。

インテンシティのザック流解釈

「プレー強度」では広義に解釈できるため、指揮官はこう定義づけた。
「インテンシティとは総体的な表現だが、私が思うのはボールを持っているときに動きが出るような、前線が活性化するような状態だ。ボールスピードを速くして、ボールがよく回ることを指す。ボールの動き、人間の動きが、相手に的を絞られないようにするというのがひとつの意味だ。また守備のところで言えば、アグレッシブでいること。ボールをいかに早く奪っていくかということだ。ただ誤解してほしくないのはボールを1人で奪いにいくのではなく、チームとして奪いにいく。こういったことが私の思っているインテンシティだ」

 もう少し噛み砕くなら、“攻守における組織的なスピードと力強さ”というような言葉でも置き換えられるだろうか。
 ブラジルW杯後、イタリア・チェゼナティコでインタビューした際、ザッケローニがこう強調したのが実に印象的だった。

「W杯ではこれ(インテンシティ)が十分出せないまま終わってしまったし、その意味で未完のままだと言っていい。インテンシティは11人全員、組織で同時にやることで効果が出る。国際レベルで戦うにはマストな要素。日本代表が次のステップに進むには、とても大事な要素だと私は考えている」

 ザッケローニがインテンシティをいかに重視した要素であったかを知ることができる。そしてザック流解釈そのものが、この意味を肉づけしていった。