「文章力は、伝達力の基本」
【第16回】相手の立場に移動して「反省」してみる

〔PHOTO〕Thinkstock

【第15回】はこちらをご覧ください。

「読み手」が誰なのかを知る

文章は口頭の説明と違って、その場で補足することができません。読み手にうまく伝わっていなくても、修正することができません。「一発勝負」です。

顧客にメールで案内を送るとしましょう。みなさんは、「これで伝わるだろう」と思ってその文章を書きます。でも、伝わらなかったら? それで終わりですね。

メールの文中に「何かご質問があったらご遠慮なくお問い合わせください」と書いても無駄です。よほど興味がない限り、質問なんてしてくれません。文章はいつも「一発勝負」なんです。

そのため、事前の準備と下調べが重要になります。口頭で伝える時よりも丁寧に慎重に「相手に分かりやすい言葉」を探る必要があるのです。

そして、読み手が誰かによって、分かりやすい表現は変わります。誰が読むかによって、適宜表現を変えなければいけません。要は「相手に合わせてベストな表現を選ぶべき」ということですが、では、どうすれば「相手にベストな表現」を選ぶことができるのでしょうか?

相手にベストな表現をするためには、まず「相手を知ること」が不可欠です。自分の文章を読む相手が、どんな前提知識を持ち、どんな語彙を使い、普段どのような表現でコミュニケーションを取っているのかを知らなければ、その人に合う表現を選ぶことはできません。

みなさんの文章を読むのは、みなさんの仕事をほぼ把握している上司・同僚なのか、同業のクライアントなのか、それとも全く知識がない小学生なのか・・・。相手によって、書き方を全く変えなければいけないのは、想像していただけるかと思います。

ただし、読み手のプロフィールを知って満足してはいけません。というのは、プロフィールがわかっても、それだけでは相手がどんな言葉を「分かりやすい」と感じるかは分からないからです。

ほとんどの場合、書き手は、その文章が「誰向け」であるかは分かっています。ところが、実際にはその「○○な人向け」にはなっていません。なぜかというと、プロフィールを言葉だけで考えて、実際にその人たちがどんな言葉を使い、どんな知識を持っていて、どんなことに興味を持っているかまで考えないからです。

読み手が分かりやすい言葉を書くためには、相手の「プロフィール」や「肩書」だけでなく、普段どんなことに興味を持って、どんなボキャブラリーで話しているか、どういうことについては熟知していて、どんなことは全く知らないか、を理解しなければいけないのです。

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