【沿線革命014】 これからの東京を考えるために読者の皆様の声に耳を傾ける

阿部等(交通コンサルタント)

「鉄道は収益性を期待できない」「便利でも不便でも需要は同じ」との誤った考え

前者は【008】で紹介した朝日新聞が広めた言説、後者は【010】で指摘した中央区の需要予測の問題点である。

「新規路線は必ず需要予測が外れて儲からないと思いこんでいる」人は多いだろうが、湾岸部は開発がどんどん進むエリアであり、便利な交通を実現すれば多くの利用を得られると発想を転換し、便利な交通の実現に全力投球すべきだ。

中央区の検討は「便利でも不便でも現行の都バスと同じ分担率」との前提で需要予測しているため、【011】で8項目を挙げた徹底的に便利なBRTを実現しようとの考えにならない。関係者を非難するためではなく、湾岸部の明るい未来を拓くには交通を充実させることが不可欠との一心で書いている。

もし便利な交通を実現できなければ、自動車洪水となり、箱モノだけ沢山でき、交通がネックで居住も企業立地も進まないという恐ろしい未来となりかねない。

広島電鉄がかつて10円の値上げに苦労した例を紹介下さった方には、鉄道事業者は「合理化と多角化こそが鉄道再生の王道」との決め付けから脱し、正々堂々と商品価値に応じて販売価格を設定し利潤を獲得することにより、社会へ貢献できるとお返しした。(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41480?page=3

さらに、JR九州が駅を無人化して収益性を向上させる最近の取り組みを紹介して下さった方には、効率向上による経費節減・要員削減より利便向上こそを社会は求めており、不要となった駅要員を運転士に転換して増発すべきとお返しした。

記事への反論への応答

【005】「上野東京ライン開業で浦和は武蔵小杉に続くか」に対し、「金持ちが沢山住んでいても、所詮1つの通過駅に過ぎない」「武蔵小杉のメリットは都心に加え横浜・川崎へのアクセスの良さ、浦和にはそれがない」「武蔵小杉は工場跡地が大きくあったが浦和は駅近辺に開発できる土地がない、浦和の住宅地としての格は武蔵小杉と比較されるものではない」とお受けした。

それぞれなるほどと読ませていただいたが、都心に近い立地で交通利便性が目に見えて良くなることは大きなインパクトであり、浦和駅は周辺や構内の開発が今後も引き続き、活性化するポテンシャルが高いのは確かだろう。

着席割増料金に対し、「普通車でICカードかざすって、普通車でも座るためにはカネ払えってこと?」とお受けした。「天ぷらそばは、かけそばより商品価値も製造コストも高いから値段も高い。着席は立席より商品価値も製造コストも高いから値段も高くすべき。」と説明すると、たいていの方は納得下さる。当然ながら、立席は今の普通運賃より安くすべきだ。

「乗り入れのし過ぎと着席性には納得」「座席の利用を割増料金にするという発想は斬新で理に叶っている」ともお受けした。「面白いよ、こういう突拍子もないこと言う人」には笑ってしまった。

前例がないという点では突拍子なくとも、理屈が通っており、利用者にも交通事業者にも社会にもプラスになることを、これからもどんどん提案していきたい。