【内閣府 その5】 NPOの人材育成、規模化、法人格の統一、情報公開を通して、社会のさらなる発展・成長を!

阪神・淡路大震災でのボランティア活動がきっかけで日本に広まったNPO(特定非営利活動法人)は、東日本大震災の復興においても大いに活躍した。その数は近年急激に増え、今やNPO法に基づくNPO法人数は5万を超える。

一方で、日本ファンドレイジング協会『寄付白書2013』によると、NPOへの寄付総額の日米英比較は、総額で、アメリカが18兆2,433億円(2,289億ドル)、イギリスが1兆1,597億円(93億ポンド)に対し、日本が6,931億円でしかない。1人当たりで見ると、年間の個人寄付額で成人1人当たり、アメリカが13.0万円、イギリスが4.0万円に対し、日本が0.25万円と、日本はアメリカの1/50、イギリスの1/16と、日本のNPOへの寄付は英米に大きく引き離されている。隣国の韓国でも1人当たりで、日本の2~3倍の寄付をしているのが実情だ。

NPO先進国のアメリカでNPOが急速に発展しはじめたのは1970年代のレーガン政権時代からだ。当時の「小さな政府」への政策転換によって、社会保障費などの歳出が削減され、さまざまな行政サービスがカットされた。政府が手を引いたが地域にはなくてはならない事業について、さまざまな規制緩和策を打ち出し、民間(NPO)の参入を支援した。

その結果、いまでは、学校、病院、図書館、公民館などをはじめ、社会福祉サービスの多くがNPOによって運営され、アメリカの総雇用に占めるNPOの割合は10%近く、1200万人規模に達している。

莫大な財政赤字を抱える日本でも、今後当然ながら社会福祉分野を中心に、NPOの活動領域はますます拡大していく。日本でも行政サービスをNPOに実施してもらうためにも、欧米並みのNPOを育てる「行動」が必要だ。

1. Not-For-Profit事業を行う法人に関する法的枠組みを一本化し、「社会貢献法人(新NPO)」としてシンプルで分かりやすい制度を構築せよ!

NPOへの寄付に関する欧米との比較を紹介したが、アメリカのNPOで規模の大きいものには、宗教関連の団体が学校運営や病院経営をおこなうところが多い。

一方で、日本で学校を運営するのは主に学校法人だし、病院の運営は医療法人、宗教は宗教法人だ。さらに、日本では、非営利活動をおこなう法人の形態として、NPO以外にも社会福祉法人、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人など、多数ある。

アメリカの会社法(Corporation Law)の考え方では、法人は株式会社にあたる「For-Profit-Corporation」か「Not-for-Profit-Corp」かだけであり、営利目的以外はすべてNPOに概念されるわけだ。もちろん、アメリカでも、営利と非営利の中間的法人としてBコーポレーション(Benefit Corporation)やL3C(A low-profit limited liability company)といった、新しい法人格も登場している。だが、基本的には、宗教、学校、社会福祉法人ともすべて法人格は統一され、とてもシンプルである。

NPOに関する日本の制度の問題点は、第一に、非営利活動の担い手となる制度が複数あり、わかりづらいことだろう。国民の非営利活動への理解増進、参加拡大、寄付金額の拡大を図ろうとしても、入り口としての制度が分かりにくいので、それを阻んでしまっているのである。

そこで、日本でも、非営利(Not-for-Profit)事業をおこなう法人、すなわち、狭義のNPO法人に加えて、社会福祉法人、社団・財団法人、さらには医療法人、宗教法人、学校法人、農業法人などに関する制度を一本化し、新たに「社会貢献法人(新NPO)」という形態を創設し、シンプルで分かりやすい制度を構築する行動を提案したい。

新たな制度に移行する中で、営利を目的とする事業体に関しては株式会社に移行させればよい。また、宗教法人や学校法人などは政治的にハードルが高いようであれば、それ以外の法人の一本化から始めればよい。

ぜひともNot-For-Profit事業をおこなう法人に関する法的枠組みを一本化し、「社会貢献法人(新NPO)」としてシンプルで分かりやすい制度を構築して欲しい。

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