政府予算、見かけは良いが借金依存体質は変わらない。
今こそ社会保障改革で大ナタを!

借金依存体質は変わらない。右は榊原定征経団連会長 photo Getty Images

安倍政権は先週(14日)の閣議で、2015年度の政府予算案を決定した。不仲で有名な政権と財務省が「経済再生と財政健全化の二つを同時に達成する予算」と仲良く手柄を強調する予算案ができあがったのだ。

確かに、うわべを見ると、歳出を96兆3420億円(一般会計、総額)と過去最大に膨らませる大盤振る舞いを行う一方で、国債の新規発行を4兆3870億円減の36兆8630億円にとどめる離れ業をやってのけている。6年ぶりに国債依存度が40%を割り込むことも快挙と言えないことはない。

しかし、納税者の立場から見れば、見かけの良さに満足するわけにはいかない。離れ業の裏には、昨年4月の消費増税という国民負担の拡大が隠れているからだ。はっきり言えば、あの増税のお蔭で、税収が24年ぶりの高水準に増えるという算盤が弾けたから実現できた快挙に過ぎないのである。

むしろ、われわれ納税者にこれまで以上の負担を強いておきながら、政府が歳出と歳入の両面における抜本的な改革を軒並み先送りした事実こそ、我々が直視しなければならないポイントだろう。

財務省が胸を張るポイントは5つ

今回の予算で、財務省がこれこそ「経済再生と財政再建の両立」だと声高に強調しているポイントは5つある。

まず、「地方創生」関連の予算に7225億円を付けた。新規の就農支援や地方大学の活性化などの事業を推進していくという。

次に、「女性が輝く社会」のために、子育て支援の充実に国と地方の合計で0.2兆円多い0.5兆円、医療・介護分野の充実に同じく0.6兆円多い0.8兆円の予算をそれぞれ割り振った。「女性の活躍推進」という名目で前年度より7.4%多い202億円の予算を投入、いったん職を離れた女性の再就職を支援する。また、待機児童解消のため保育施設の定員を8万人増やすという。

3番目に、持続可能な社会保障制度を確立する狙いで介護報酬の総額を引き下げた。

4番目に国土強靭化を推進し、東日本大震災からの復興を加速する。

そして最後に外交・防衛の建て直しを掲げた。特に、防衛予算は過去最大の4兆9801億円を配分した。垂直離着陸機オスプレイを5機、水陸両用車量30両導入し、離島奪還作戦を担当する「水陸機動団」の新設に繋げるという。

半面、米軍普天間基地の名護市辺野古への移転問題で揺れる沖縄に対しては、振興費の前年度比5%減を打ち出した。安倍政権は公の場で認めないが、基地移設反対派の沖縄県知事らを牽制する意味が込められているというのがもっぱらの見方だ。

5つのポイントのうち、最初の地方創生と2番目の女性の活用は、アベノミクス後の政権の経済政策の目玉だし、5番目の防衛重視は、「主権を守る」と言い続けてきた安倍首相の主張の本丸だ。

年末に総選挙が行われて予算編成期間が短縮される中で、大勝した安倍政権に対し、面従腹背を続けざるを得なくなった財務省が精いっぱい媚びて見せた予算案という見方もできるだろう。

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