【沿線革命013】 有楽町から新豊洲まで晴海通り上にロープウェイを!阿部等(交通コンサルタント)

2015年01月19日(月)
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都市型ロープウェイはイノベーションの宝庫

都市型ロープウェイの普及は世界的にも近年のことで、技術的にはまだまだ発展途上で創意工夫や技術開発の余地が大きい。

スキー場その他の観光地では高速のロープウェイが既に多数導入されているが、ふもとと高地を結ぶ2地点間の輸送が大半だ。大都市の交通システムとして導入する際は、駅を多くして出発地・目的地の近くで乗り降りできるようにする。

そのことと所要時間を短くすることは、通常の運行では相反する。両立させるには急行を運行すればよい。緩行列車と急行列車を運行して短い駅間と長距離の速達性を両立させる「緩急結合ダイヤ」は日本のお家芸だ。

ロープウェイでは「緩急結合ダイヤ」の例は世界に1つもない。各駅にて、停車するゴンドラのみがロープを放して低速移動で乗り降りできるようにし、他のゴンドラはロープをつかんだまま通過し停車中のゴンドラを追い越す、そんな技術開発をしたい。

利用者の発着駅を正確に把握・整理し、ゴンドラの停車駅と各ゴンドラへの利用者の配分を最適化し、それを分かりやすく案内する。

また、都心から離れるに従い断面需要量は減るので、一部のゴンドラを途中折り返しできる技術開発もし、不要な運行を最小化しコストを低減したい。

自動循環式の速度は、現時点では交走式の秒速12mに対して6mが最高だが、安全を維持した上で向上させたい。

自動循環式の搬器定員は、現時点では最大35人だが50人くらいに増大させたい。定員を増やした分、ゴンドラの長手方向が伸び運転時隔が拡がると輸送力が減ってしまうので、工夫して運転時隔12秒と両立させる。

新穂高ロープウェイのように2階建て(http://www.okuhi.jp/Rop/FRTop.html)とすれば、同じ乗車人数に対してゴンドラの長手方向を伸ばさずに済み、さらに窓際で景色を眺望できる人数を多くできるメリットもある。

他にもイノベーションのネタは多々あり、高利便かつ低コストの世界最先端のロープウェイを晴海通りへ導入したい。

湾岸部の交通は心配ない、未来は明るい!

ロープウェイの提案は、「実現する価値大」と「単なる夢物語」のどちらと取られただろうか。今回の提案は有楽町から新豊洲までとしたが、開業して評判が良ければ、その先の東雲やビッグサイトの裏手にも伸ばしたい。

湾岸部に住んでいる、通っている、開発に関わっている、様々な立場の人の交通に対する関心は非常に高い。様々な提案や議論、検討も進んでいる。願わくば私の提案が実現され、湾岸部の明るい未来を拓く一助になればと念じている。

環状2号線のBRTと晴海通りのロープウェイの二本立ては、数十年先までの湾岸部の開発に伴う移動ニーズに対し、幹線の輸送としては対応し切れると確信している。この2本を徹底的に便利にした形で実現すれば、多くの主体が湾岸部の土地を存分に活用できる基盤が旅客交通に関してはでき上がる。

次回は、連載に対する読者の皆様の意見や疑問に対する私の考えを整理してお答えする。http://light-rail.blog.jp/archives/1014464871.htmlへの投稿と「沿線革命」を含む文面のツイートを参考とさせていただく。

阿部等(あべ・ひとし)
1961年生まれ。東京大学 工学部 都市工学科卒。88年にJR東日本へ入社、保線部門を中心に鉄道の実務と研究開発に17年間従事。2005年に同社を退社し(株)ライトレールを創業、交通計画のコンサルティングに従事。著書『満員電車がなくなる日』。日経ビジネスオンライン「キーパーソンに聞く」が好評。FacebookTwitterにて実名で情報発信。交通や鉄道の未来を拓きたい方のために、交通ビジネス塾(http://www.LRT.co.jp/kbj/)を主催し、工学院大学オープンカレッジ鉄道講座(http://www.LRT.co.jp/kogakuin/)の事務局を務めている。
毎回、多数の方がツイッターその他で拡散下さり、ありがとうございます。
http://light-rail.blog.jp/archives/1014464871.htmlにて、読者の皆様の自由な質問や意見や情報をお受けしています。すべてのコメントに目を通した上で以降の執筆の参考としますので、お気軽に投稿下さい。「沿線革命」の実現には多くの方の知恵や熱意との化学反応が欠かせません。1月22日(木)の交通ビジネス塾(http://light-rail.blog.jp/archives/1016448641.html)は、読者の皆様とのリアルの場でのコミュニケーションも企図していますので、お気軽なご参加をお待ちしています。
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