武器輸出支援のために税金が使われるかも!?加速するの安倍政権の暴走
古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン vol114・115より

ほとんどの国が辞めた核燃料サイクルを続ける日本

古賀: とりあえず選挙が終わった直後にいくつかいろんな動きが出ているのでそれを確認しながら、やっぱりねということを申し上げておきたいんですけれども、1つは原発関連ですね。大間原発ですね。

これはJ-POWERという、大手電力会社とは別で大手電力会社なんかも出資をしている発電ばかりやって卸売をして、それを電力会社が買っているわけですけれども、そういう会社が今、新しく初めて青森県の大間に原発をつくるんですが、建設はもともとの計画があって建設に着工したばかりというような感じの原発がありまして、この建築を進めていくにあたって新しい規制基準の審査を受けなきゃいけないということなんですけれども大間原発はいろんな活断層の問題があってなかなか難しいといわれていますし、函館市が30キロ圏内なんですけれども、30キロ圏市の函館市が反対をして、差し止め訴訟まで起こしている。規制基準に適合しているかどうか、その申請を規制委員会にしますよというので15日、選挙が終わって余韻さめやらぬうちにいきなり発表しまして、翌日16日には正式申請をしました。

この大間の原発はいわゆるフルMOX燃料を使うということなんですね。普通の原発はウラン燃料を使うんですけれども、それを燃やしますとプルトニウムができるんですね。これを今の計画では六ヶ所村にあります再処理工場というところにその使用済み核燃料を持っていってプルトニウムを抽出して濃度を高める。その濃度を高めたプルトニウムを混ぜた燃料をMOX燃料というんですけれども、要するにその原発をつくるということはMOX燃料を絶えず供給し続けるということが前提になりますので、そうすると六ヶ所村の再処理工場というのは絶対にやめられないということになります。

しかも実はその再処理というのはそれで終わりじゃなくて、もんじゅという高速増殖炉というのにつながっていまして、この高速増殖炉というのは一種の原発なんですけれどもプルトニウムを燃やすと燃やした以上にまたプルトニウムができるという夢のエネルギーといわれているんですけれども、そういう計画があります。これは過去何十年もやっていまして、いくらお金をかけてもできない。失敗に失敗を重ねて金食い虫になっちゃって、今はまた、いろんな事故で止まっちゃってるんですけれども、これがあって初めて再処理というか、核燃料サイクルというものが全体として完成するんですが、実はこの高速増殖炉というのは先進国はほとんどみんなやめてしまったもので日本は引き続きやっているんですけどたぶん無理だろうといわれているものであります。

しかし政府としてはこれをギブアップしないという方針でやっているので再処理ももちろん引き続きやるということで全体の核燃料サイクルのプロジェクトを維持するという、ある意味、宣言と言ってもいいような申請が行われたというのが1つあります。

40年を超える原発の再稼動宣言

古賀: それと時を同じくしまして関西電力の福井県の高浜原発というのがあるんですが30年以上過ぎて老朽化して危ないんじゃないかということがいわれて、今はもちろん止まっているんですけれども、これを動かしたいと。今の新しい原発の規制では原発の耐用年数は原則40年である。原則ということで例外というのはもちろん法律上、認めているんですけれども民主党時代はその例外というのはほとんどないですよというような説明をしていたんですが、今回、初めて40年を超える運転をしたいという動きが出たわけですね。

それは何かというと40年を超える場合は普通の原発の再稼働とは別に特別点検と。例えば原子炉の材料が劣化していないかとか、いろいろ普段の点検ではやらないような点検まで特別にやらなきゃいけない。万一、ちょっとでも不具合があればそれを全部直していく。あるいはいろんな補強をするという投資をしていかなきゃいけないという点検なんですけれども、したがってそれをやるということはもちろん40年を超えて動かしたいと。40年を超えて動かす場合は最大60年まで延ばせるんですけれども、おそらく関西電力としてはもちろん60年を狙って動かそうという動きだと思います。それをマスコミに特別点検をやってますということでその模様を公開をしました。一種の宣言みたいなものですね。

もちろんまだ申請に至るだけの検査はちゃんとしていないのでこれからなんですけれども、そういう動きがあって、さらに木曜日だったですか、先週、同じ関西電力の高浜原発の3、4号機ですが、これはもうちょっと新しいんですけれどもそれについて再稼働の審査をずっと受けていたんですけれども審査書案というのが原子力規制委員会から公表されたと。事実上、合格したというふうに受けとめられるものです。ですから川内原発がこの間、再稼働のお墨付きを得て地元の同意も得て、まだ検査が2段階残るんですけれども冬のうちに再稼働できるんじゃないかという見通しになっているんですが、この高浜3、4号機についてもこれが出たことで春には再稼働できるだろうということになっています。

これが非常に象徴的なのは選挙が終わった翌日から1週間の間にこれだけの動きがあったということで逆に言えば選挙の前はおとなしくしていてねということを政府側と打ち合わせながらうまくやってきたと。経産省がもちろんこういうことは差配するんですけれども経産省がこれらの電力会社と非常に密接に打ち合わせをしているし、規制委員会にも大量の出向者がいますので、そこで調整しながらうまくやっているということだろうと思います。

武器輸出の解禁、本格化の恐怖

古賀: そういう意味で私がいくつか驚いていることは1つは武器輸出に政府の税金を入れて支援しようという動きが先週の木曜日に表面化しました。これは防衛省がそういう動きで検討会をつくって検討を始めたんですが局長級の私的な勉強会なんですね。防衛会議とか、そういう法律上、位置づけられた何々審議会とか、そういうものではない非常にあやふやなものですけれども武器輸出を担当している局長の勉強会としてできて、しかもこれは議論している場は非公開。終わったあと、しばらくすると議事概要というのが出ますけど、議事概要というのは批判されないように丸めて書いたものでだれが何を言ったかということは正確にはわからないということですけれども、基本的に密室で決めていくということを始めました。

その始めたときの資料なんかを見ますといろんなことが抽象的に書いてあるんですけど要は武器輸出というのは一応、4月に解禁したわけですね。これはある意味、本当に憲法改正と並ぶような大きな話、集団的自衛権の容認とほとんど同じ位の大きな動きだったと思うんですけど、これも政府の一存で決めてしまえるんですけれども武器の輸出三原則というのがあって、これで原則禁止されていたものが防衛装備移転の三原則とかいって、要するに装備移転というのは輸出ということですね。武器を輸出していいですよというふうに変わっちゃったんですね、この4月に。

そのあと急速にその話が動いてありとあらゆる日本のメーカーがつくれる武器を海外に輸出しようという動きが強まっています。潜水艦とか戦車とか、あるいは空対空ミサイルなんていうものも議論の対象になっていますけれども一方で今まで日本では禁止されていたものですから、あんまりそういうビジネスに慣れていないんですね、企業が。

企業が輸出するときには附随的にやらなきゃいけないことがいろいろあるんですよ。例えばテレビみたいに売って終わりじゃなくて、まず売ったらその武器を使えるようになってもらわないと困るので売る場合には必ず向こうの軍人の訓練をしなくちゃいけないとか、あるいはメンテナンスももちろんメーカーが直接メンテナンスする部分もありますし、戦場に一緒についていくわけにはいかないので、ある程度、整備とか、そういうものの能力も向こうの軍隊に高めてもらわないといけないので、そういう指導とか、そういうのも全部やらなくちゃいけなくて、そういうのにいったいいくらお金がかかるのかなとか、そういうのも全部契約に入れてやっていかなくちゃいけないんですけど、日本の企業にはまだあまりそういうノウハウはない。

その部分を少し背中を押さないといけないんじゃないかというようなこともあって、それでいろんなものの開発にお金を入れるということだけじゃなくて例えば売るときの融資ですね。向こうに売るときに代金を分割払いにしましょうなんていう話が出てきますけれども分割払いにして向こうが「お前のところの整備の仕方が悪いから金を払うのはやめた」とか、そういうふうに言われちゃったりすることもあるので、そういうものを国のお金で少し支援してやろうとか、そういうこととか、開発も含めていろんな補助金を出そうと。これは原資はみんな税金なんですね。それを始める。これはまったく新しい段階に入ったなと。

武器輸出という公共事業

古賀: 「やっちゃいけませんよ」と言っていたのを「やってもいいですよ」というのに改めたんですけど、さらに今回は「もっともっとやりなさい、国がお金を出してあげますから」という、そこまで踏み込むという。今のままだったら恐る恐るちょっとずつ、ちょっとずつという感じなんですけど、そこまで政府が後押しすればかなり急速にこの武器輸出産業というのが拡大する可能性があるんですね。

メーカーから見ると日本の予算というのが制限されていて、あまり日本で大量に武器を買ってもらうことはできないので、それを海外で買ってもらえるようになれば大量生産もできるしビジネスも大きくなるし、非常にいい動きだということなんですが、逆にそれがどんどん大きくなるということになるとアメリカを見れば非常にわかりやすいんですが経済にとってけっこう国防産業というのは大きなウエートを持ってくるんですね。大きなウエートを持った国防産業というのがもしあるとき、例えば財政的な事情で、もうあんまり武器は買いませんよとかいう話が急に動くとその産業というのは景気が悪くなる。

今までは武器製造業というのは非常に小さなものでしたから多少そこが景気が悪くなっても日本の景気全体に影響ということはなかったんですが、これからそれが大きくなるとかなり景気に大きな影響を与えるような規模になる可能性がある。しかもそれは日本経済全体に広く薄くちょっと悪くするという効果だけじゃなくて現実にはいろんな武器の工場というのがどんどんできていくわけですから武器工場に何百人、人を雇っていますというのが、この武器が売れなくなったので工場を閉鎖しますとか、人員整理しますという話になって地域の経済への深刻な打撃というようなことが起きるんです。

今、アメリカでは国防費削減というのがずっとこれから長期的に行われるということでいろんな大手武器企業が工場の整備再編みたいなのを進め始めていて、そうするとここで何百人の首切りがあったみたいなことが報道されて、そんなかわいそうなことをしていいのかという議論が起きています。そうするとそういうかわいそうなことを防ぐためにはもっと武器を売るしかないと。こういうことになるんですが一方で財政上の制約が大きい。したがってもっともっと外に売れという話でますます加速していくということが起きる。ですから一種の公共事業のようなものが起きるわけですね。・・・(以下略。 この続きはメルマガでご覧になれます)

古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン
Vol114・115(2015年1月9日配信)より

古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン Vol.115【目次】
(動画版第23回 2014年12月22日収録 26日配信)

●「生まれて初めて共産党に入れちゃいました」
 ●民主党代表候補・細野豪志さんは勝負をしない政治家?
 ●民主党は結局変われない
 ●自民党も変われない
 ●ほとんどの国が辞めた核燃料サイクルを続ける日本
 ●40年を超える原発の再稼動宣言
 ●武器輸出の解禁、本格化の恐怖
 ●武器輸出という公共事業
 ●集団的自衛権の行使容認の恐ろしさ
 ●経産省と防衛省の連携
 ●ソニー対北朝鮮