今年度補正予算もバラマキ、税制改正は改革不発、目玉は法人税減税
古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン vol114・115より
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格差拡大の税制と庶民に住宅を買わせて業界を助け続ける税制

・・・(略)私が注目していたのは、減税とともに、一部の業界だけが既得権を貪っている数々の租税特別措置を廃止できるかどうかだったが、ほとんど見るべき成果はなかった。やはり、安倍政権は、過去の自民党政権と全く同じ、利権の党、バラマキの党から脱していないのだ。

この他、気になるのは、子や孫への資産の贈与の免税措置が拡大されることである。格差の連鎖を拡大するものであり、ここまで格差が拡大した中で行なうものなのか多いに疑問がある。

また、住宅の販売が不調になっていることもあり、住宅の販売促進のために、いろいろな措置がとられる。しかし、過去に住宅を買って大損をした人たちは非常に多い。巨額の借金をして買ったのに、毎年地価は下がり続けるという事態が続いていた。

資材・人手不足で物件価格が非常に上がっている中で、来年度も庶民に家を買えと進める感覚が全くわからない。2019年以降は、国内の世帯数が減少に転じるという予測がされていて(人口はすでに減少に転じているが、単身者世帯が増えていることなどから、世帯数はまだ増えている)、そうなれば不動産価格はまた下がる可能性が高い。

都心の高級マンションなどへの投資ならわかるが、庶民が買う物件のうちどれだけのモノが、今後値上がりすると考えているのだろう。慌てて買うのは控えましょう、もうすぐ下がりますよと言ってあげるのが優しい政策だと思うのだが。

来年度予算はまた最高を更新

一方、来年度予算は、96兆円から97兆円の間で最終調整が進んでいると報じられている。そのとおりになれば、昨年度当初予算が95.8兆円だから、これを超えて、当初予算としては史上最高ということになる。(ただし、補正予算を合算した金額を決算ベースで見た場合は、過去に100兆円を超えたことが二回ある)

税収が好調なため、国債発行額は減少させることができそうだが、バラマキで膨らみすぎて資材や人手の不足を招き、民間の投資や個人の住宅購入を妨げている大きな要因となっている公共事業も、まだ増やそうとしているようだ。

財政再建には三つの手法がある。増税、歳出削減、そして経済成長による税収増である。日本のように巨大な累積赤字のある国では、どれか一つで財政再建を実現することは不可能で、三つ全てを組み合わせて実施する必要がある。

その場合、世界の常識(学説だが)として、増税から入った場合は失敗する例が多いとされている。増税で歳入が増えるとどうしても歳出を増やそうという圧力が高まったり、成長のための改革が先送りされたりということが起きやすいからである。

安倍政権の場合は、典型的な増税先行の失敗パターンだったということがわかる。このまま行けば、以前から指摘しているとおり、増税とバラマキのスパイラルから抜けられなくなる可能性が極めて高いと言って良いだろう。・・・(以下略。 この続きはメルマガでお読みいただけます)

古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン
Vol114・115(2015年1月9日配信)より

【古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン Vol.114 目次】

新年のご挨拶とお知らせ
―第1部― 日本再生のために
 1.民主党代表選挙で国民の期待に応える民主党が生まれるのか?
  ●統一地方選の顔選び
  ●政策で違いがわかるか
   ―経済政策・社会保障などの政策に大きな違いは見えない
  ●集団的自衛権については、細野氏がタカ派?岡田氏は?長妻氏がハト派
  ●特定秘密保護法については踏み込まず
  ●改革にも新味はなし 公務員改革は切り込み不足
  ●脱原発は、長妻氏が具体的提案、岡田氏・細野氏は事実上コミットせず
  ●実績は?
 2.野党再編の予想
  ●細野氏と橋下氏をつないだ原発
 3.今回の代表選は野党再編に直結しない
  ●もう一回、政策によるリシャッフルが必要
 4.今年度補正予算もバラマキ、税制改正は改革不発、目玉は法人税減税
  ●格差拡大の税制と庶民に住宅を買わせて業界を助け続ける税制
  ●来年度予算はまた最高を更新
―第2部― 読者との対話
―第3部― 古賀さんのスケジュール