現代新書

安倍内閣の「本質」を読み解いた
ベテランジャーナリストが明かす
報道番組の「内幕」と定年後「再雇用」記者の意地

〔PHOTO〕gettyimages

侮れぬテレビの力

ここ8年余りテレビの報道・情報番組に出演する機会に恵まれている。それでは伝えきれないもどかしさを感じて、このたび『安倍官邸の正体』(講談社現代新書)を上梓した。久々に本を書いてみると、その達成感はテレビの仕事やコラムを書き連ねることをはるかにしのぐ。

もちろん、多くの人たちに瞬時に情報を伝えるパワーにおいて、テレビはインターネット時代を迎えてもメディアの中で群を抜いている。月刊誌や週刊誌に原稿を書いても、一般の方から声を掛けられることはないが、テレビはまるで違う。地方に講演に出掛けて行くと、老若男女、職業を問わず「テレビでいつも見ています」と話し掛けられる。

女性の場合、次に発せられる言葉は「あのネクタイは誰が選ばれているんですか?」。家内が買ってきたものを、背広に合わせて着用していると説明しているが、服装や表情がまず印象に残っているようだ。ただ、「訳知り顔の素人の話は聞きたくないが、田崎さんの話はじっくり聞いています」とも言われるので、その時点で視聴者の方が「なるほど」と納得する話をしているようである。

今回の出版で、テレビの力をあらためて思い知った。衆院選投開票日翌日の昨年12月15日、TBS「ひるおび!」で30分ぐらい、拙著の序章で書いた衆院解散の内幕を基にして、衆院選結果を分析し、今後の政治動向を予測した。すると、アマゾンのベストセラー商品ランキング:本の部門で、一気に100番台にランクインした。本の発売日は16日なのに、その前に予約が殺到したことになる。次に同22日放送の読売(日本)テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」で番組の最後に、司会の宮根誠司さんから話を振られ、拙著を紹介した。こんな会話だった。