「コト・クリエイティブの時代」
【第1回】 食品の異物混入事件から考える、物事(モノゴト)の話

〔PHOTO〕gettyimages

ある食品メーカーの異物混入を防ぐ「心がけ」

新年早々、食品業界だけではなく、日本中を騒がしたのがマクドナルドの異物混入事件でした。わたしは食品業界のクライアントともよくお仕事をするので、他人事ではない気分であの会見のニュースを観ていました。

いわゆる広報対応という目線で評価しますと、会見に臨まれたお二人の責任というよりも、その人選を含めた経営責任として、問題を先送りにした非常にまずい対応だったと言わざるを得ません。詳細は危機管理専門のPR会社さんに譲るとして、個人的にそう感じました。

今回のマクドナルドの一件を見ながら、ある食品メーカーさんの異物混入を防ぐ「心がけ」を思い出しました。そのメーカーさんと初めてお仕事することになったときに、こんなことがありました。

「インテグレートさん、わたしどもの会議にお持ちいただく資料にホッチキス留めはやめていただきたいのです」

わたしも担当者も、お互いに顔を見合せて「?」となりました。

「うちは食品会社です。わたしたちがここで会議をして、その後に工場に行くこともよくあります。万が一にも、背広やズボンにホッチキスの針がくっついていて、それが商品に混入するようなことがあってはならないのです」

打ち合わせに伺ったオフィスは恵比寿にあり、工場は多摩にあります。もちろん、工場に入る前には、様々なチェックや予防策が実施されているはずです。それでも、生産現場から遠く離れた恵比寿のオフィスでさえホッチキスの針は使わないのだといいます。これは、創業者である現会長のお考えだそうです。生産管理の話ではなく、経営哲学の話だと感じました。

日本マクドナルド社が今回の異物混入事件をどのように受け止めて、どのように予防策を講じるのかはわかりません。「商品(モノ)に異物が混入した事故だ、あってはならないことだが完全に防ぐのは難しい」と考えるのか。はたまた、「自社(契約する企業を含めて)の従業員、つまり人が起こした不祥事(コト)」だと考えるのか・・・。

世の中は、物事で動いていきます。「物(モノ)」に軸足を置くのか、「事(コト)」に軸足を置くのか、今回ご紹介した食品メーカーさんのスタンスは言うまでもありません。

【「コト・クリエイティブ」の発想のヒント】

・モノには値札が付いている。コトには値札がついていない。
・モノは取り引き。コトは取り組み。
・モノは売れ切れる。コトはやり遂げる。
・モノは不良品。事故だから防げなかった。
・コトは不注意(不祥事)。事故ではないから防ぐことができる。

【「超PR塾」のお知らせ】

昨年、実験的にはじめた「超PR塾/山田まさると愉快な仲間たち」を、本年はシリーズ化して実施して参ります。第1回目は今月21日(水)の夜に開催予定です。

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以降、1.5ヵ月に1回のペースで開催。前半はまず「超PR発想の『コトづくりマーケティング』」(全4回)というテーマで展開していきます。どうぞご期待ください。


 

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