経済・財政
昨年の日本株高を支えたのは「年金マネー」に過ぎなかった。
政府主導のPKOは、結局株価を低迷させる

photo thinkstock/Getty Images

年金マネーが株価を支えた

昨年の株価上昇を支えたのが国民の年金マネーだったことが明らかになった。

東京証券取引所が発表した投資部門別売買動向(東京、名古屋証券取引所1・2部等合計)によると、2013年に15兆円を買い越した海外投資家は8526億円の買い越しにとどまったほか、個人投資家は3兆6323億円を売り越した。一方で、買い越しが目立ったのは「信託銀行」で2兆7848億円。このほか、事業法人も1兆1017億円買い越した。

年金基金は信託銀行などを通じて株式運用を行っており、この調査では信託銀行に年金基金の動向が現れる。高齢化に伴って年金支払いなどが増えているため、一般に基金などは資産を売却する傾向にある。年金保険を運用する生命保険会社の売買金額が中心の「生保・損保」部門も5037億円を売り越していた。

突出して「信託銀行」の買い越しが大きかったのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による買い越しが最大の理由とみられる。安倍晋三内閣はGPIF改革の一環として運用対象を国債中心から株式へと大きくシフトする方針を早くから示しており、そうした政府の法人に従ってGPIFが株式購入を進めたためだ。国民の年金資産を預かるGPIFの運用総額は130兆円にのぼるため、株式へのシフトは株式市場への巨額の資金流入を意味する。

月間ベースの統計をみると、「信託銀行」は2014年5月以降、12月まで毎月、買い越しを続けてきた。年初段階のGPIFの運用の基本ポートフォリオ(資産構成割合)は、全体の12%を国内株式に回すというものだったが、これには「上下乖離幅」が認められている。当時の乖離幅はプラスマイナス6%。つまり国内株式に6%から18%までを投じることがゆるされていた。

GPIFの資料によると2013年12月末段階でGPIFは保有する128兆円の運用資産の17.22%を国内株に投資していた。すでに公表した基本ポートフォリオの上限近くまで買い進んでいたのだ。3月には運用資産が126兆円となり、その16.47%が国内株に回っていた。この間、海外投資家も売り越しに回ったことから、日経平均株価は大きく下げている。

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