【沿線革命011】
湾岸の交通を劇的に良くするBRTのルートと運行私案

阿部等(交通コンサルタント)

江東区の都市型ロープウェイ構想

中央区と江東区の提案を受け、東京都が湾岸部の交通の改善を本格的に検討して
 いる。湾岸部の発展は交通インフラの整備に掛かっており、ぜひとも便利な交通
を実現しなければいけない。

湾岸部と都心を結ぶ公共交通に関して、【沿線革命009】にて中央区の検討結果を紹介し、【010】にてその需要予測の問題点を指摘した。

中央区と並んで湾岸部を形成し、2020年東京五輪の競技場が多数設置される江東区も、湾岸部と都心を結ぶ交通の検討を進めている。

2014(平成26)年5月に『江東湾岸エリアにおけるオリンピック・パラリンピックまちづくり基本計画アウトライン』(http://www.city.koto.lg.jp/seikatsu/toshiseibi/84276/outline.html)を策定し、8つの提案の筆頭に都市型ロープウェイの導入を盛り込んだ。

山﨑孝明区長が都市型ロープウェイの導入に熱心(江東区HPより)

ロープウェイは、「遅い」「風で止まる」「輸送力が小さい」といった印象が強いだろう。しかし、それらの問題点は解消でき、大都市の短距離の交通システムとして非常に優れ者である。次回に詳しく紹介しよう。

湾岸部の交通の改善に東京都が本腰

東京都(都市整備局)は、両区からの要請も踏まえ、2014(平成26)年8月に『都心と臨海副都心とを結ぶ公共交通に関する基本方針 -BRTを中心とした中規模な交通機関の必要性-』(http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2014/08/70o8t100.htm)を発表した。

BRT(Bus Rapid Transit)とは高速バス輸送システムと称され、専用レーン・優先信号・連接バス等により低コストに軌道交通並みの利便性を実現するものだ。

発表の際、舛添要一知事は、以下のように発言した。(東京都HPより抜粋)

「晴海や臨海副都心一帯は、選手村の後利用など、オリンピックを契機とした交通需要が見込まれる」
「2020年までの限られた時間の中で運行できる新たな公共交通を整備することにした」
「時間に正確な運行や輸送力、バリアフリーなどに対応した、新たな交通システムであるBRTを想定している」
「たくさん私鉄の方がおられるのだから、いろいろな方々に協力してもらいたい」

鉄道不便地域を補い、今後大幅に増える交通需要にも対応するため、都心と臨海副都心とを結ぶ、魅力ある中規模な公共交通機関の整備に向けた具体的な検討を始めるとした。同時に、事業協力者を公募した。都の出資による第三セクターは設立せず、運行は事業者に任せるとし、民間活力の活用を指向している。

10月に事業協力者として京成バスと東京都交通局を選定(http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2014/10/20oav200.htm)し、ルートとサービスレベル(運行・施設・料金等)の検討を委託した。

検討結果を2015(平成27)年3月末に基本計画として発表し、さらに、それを担う事業者を公募する。そこで選定された事業者が事業計画を策定し、2019(平成31)年度内の運行開始を予定している。