円安効果で「中国から国内回帰」 大手製造業の方針は正しいか?

2015年01月12日(月) 高橋 洋一
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安倍政権、長期化見通しで企業も国内回帰へ

1996年からの四半期ベースのデータで、海外直接投資と円ドルレートの相関係数をみると▲0.5である。

決して強い相関とはいえないが、それなりに為替が円安になると海外直接投資が減少することを示している。円高になると、企業は儲けるために、中国などへ海外進出をせざるを得ない。

具体的にいえば、10円の円高で年間1.4兆円程度の海外直接投資をせざるを得なかった。その分、国内への投資が減っていたわけで、投資額1億円で雇用創出は10人程度といわれるので、10円の円高で、国内雇用を14万人も失っていた計算である。安倍政権は民主党政権より20円程度も円安なので、海外直接投資を抑えて、国内で30万人程度の雇用創出に成功したはずだ。

円安批判者から、しばしば指摘されるのが、輸出が伸びていないことだ。それは確かにある。ただ、その理由が、これまでの円高放置によって、いったん海外に出て行った企業があるからだ。その代わりに、そうした企業では、海外投資収益が好調である。

ただし、国内の雇用を考えると、国内回帰が望ましい。そうした海外に出て行った企業はなかなか戻らず、円安傾向が一定期間定着すると確信しないと国内回帰は難しい。

昨年の総選挙の勝利で、安倍政権が長期政権になったので、経済界でその確信が出始めたのだろう。今後、国内拠点が増え、そこでの生産が増え出すと、輸出が一気に増えてくるだろう。そこまでくると、安倍政権の地方創生でも具体的な成果が見えてくるはずだ。

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