円安効果で「中国から国内回帰」 大手製造業の方針は正しいか?

2015年01月12日(月) 髙橋 洋一
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大手製造業が続々、中国から日本国内回帰の方針

最近、円安によって雇用を確保できることについて、具体的な事例もでてきた。例えば、パナソニックなどが製造拠点を国内に移す方針を打ち出している。パナソニックのほかにも、シャープ、ホンダ、TDK、ダイキン工業などにもみられる。これらの企業は、これまでの中国展開を見直して、国内回帰になっている。

具体的には、パナソニックは静岡県袋井市や神戸市の工場、シャープは栃木県矢板市や大阪府八尾市の工場、ホンダは熊本県大津町の工場、TDKは秋田県の工場、ダイキン工業は滋賀県草津市の工場に、それぞれ移管するという。

キヤノンでも、海外拠点の撤退まではないといいながら、海外生産比率を減らして国内生産比率を高めるので、国内回帰の流れである。

これまでは、円高に中国などに進出せざるを得なかったが、やっと国内回帰できるようになったわけだ。中国に進出して中国の雇用にはプラスであったが、その分日本の雇用にはマイナスであった。それが、日本回帰で日本の雇用を、地方で創出できるようになったのだ。安倍政権の地方創生には、絶好の追い風になるだろう。

こうした動きは、中国での人件費高騰に加えて、最近の円安により海外拠点での採算がとれなくなっているからだ。パナソニックやシャープでは、1ドル120円より円安になると国内生産のほうが収益になるという。

小泉政権以降の歴代政権での為替レートを確認しておこう。

小泉政権は2001年4月26日から2006年9月26日までで平均円ドルレートは1ドル116円、
第一次安倍政権は2007年9月26日までで119円、
福田政権は2008年9月24日までで108円、
麻生政権は2009年9月16日までで96円。

民主党に政権交代後、鳩山政権は2010年6月8日までで91円、
菅政権は2011年9月2日までで83円、
野田政権は2012年12月26日までで79円。民主党政権時代の平均は83円。

自民党に政権交代して第二次安倍政権では120円程度まで戻したが平均円ドルレートは102円だ。民主党政権に比べて20円程度の円安だ。

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