「ユーロ安」の先行きを考える

新しくなったばかりのECBだが、早くも難題が・・・ photo Getty Images

ユーロが対ドルで2006年来の安値を付けた。背景には、ギリシャのユーロ離脱(Grexit)懸念、デフレ懸念を受けた追加緩和への期待等がある。大元にあるポイントは、ユーロ圏経済のバブルの後始末が完了していない点にあるだろう。

バブルの後遺症から立ち直るためには、金融機関の不良債権処理や企業のリストラなどの“構造改革”が必要だ。加えて、ユーロ圏諸国のバラバラな財政政策を特定の方向に収斂させることも重要である。ユーロの安定には金融政策と同時に改革へのコミットメントが重要といえる。

金融政策で内需は回復しないという不都合な現実

確かに、ギリシャの財政、政治動向は不安材料だ。しかし、周辺国の財政問題は解決されないまま放置されてきたことも無視できない。ユーロ圏各国は財政問題をECBの金融政策で抑え込もうとしてきた。それは単なる対処療法にしか過ぎない。

ECBは長期リファイナンスオペ(LTRO)や国債買い入れによって周辺国の債券市場を支えた。それは、ソブリン危機は去ったという安堵を生み、2012年半ば以降、ユーロは上昇した。一方、財政統合の議論の推進や積極的な内需拡大策は進んでいなかった。

ユーロ圏の内需の弱さは、失業率がリーマンショック前を上回っていることを見れば明らかだ。その結果、12月のユーロ圏の消費者物価指数は速報値で前年同期比で、-0.2%となった。これを受けてECBによる追加緩和期待が高まり、ユーロ安につながっている。

1月下旬の選挙によって決まるギリシャの新政権は、追加的な債務削減など、無理難題をちらつかせてECBやEU中核国の譲歩を引き出そうとする可能性がある。それもまたユーロ安に対する重要な不透明要因である。

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