小川和也の「デジタル・ドリブン」

デジタルテクノロジーはわれわれをどこへ導くのか。2015年はよりいっそうそのことを意識する機会が増えるに違いない。

『デジタルは人間を奪うのか』~その現在進行形

2015年01月10日(土) 小川 和也
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とめどなく進化を続けるデジタルテクノロジーは、われわれをどこに連れていくのか。デジタルは人間を奪うのか』(講談社現代新書)は、複雑になる一途の人間とデジタルの関係を突き詰める必要にかられて生まれた。本書にはたくさんの未来の推察が含まれているが、こうしている間にそれはどんどん現実のものとなっていく。

膨大な情報の恩恵を受けながら、情報に溺れる。人工知能がヒトの脳を超え、ロボットが多くの仕事を奪う。あらゆるモノがネットとつながり、車は自動運転になる。デジタルは脳や肉体に接近し、そして融合する。それらは人間に夢を与える革新でありながら、新たなリスクの種でもある。仮想通貨や仮想国家が存在感を増し、現実と仮想の境界線を溶かす。デジタルは、人間、そしてこの世界の可能性を拡張し、同時に侵蝕してしまう力を持つ。

『デジタルは人間を奪うのか』において言及したことは、日々現実の事象となっている。そのトピックを取り上げ、ワンポイントの考察を加えていく。

小川和也(おがわ・かずや)
アントレプレナー、デジタルマーケティングディレクター、著述家。慶応義塾大学法学部卒業後、大手損害保険会社勤務を経て、2004年グランドデザイン&カンパニー株式会社を創業、代表取締役社長に就任。西武文理大学特命教授。数々のITベンチャービジネスの立ち上げや、デジタルマーケティングディレクターとして、大手企業や行政、アーティスト等の先端的デジタルマーケティング事例を数多くつくり続けている。著書、講演、メディア出演多数。ビジネスだけではなく、デジタルと人間や社会の関係の考察と言論活動を行なっている。日本で初めて同タイトルの概念をテーマとした著書『ソーシャルメディアマーケティング』(共著・ソフトバンククリエイティブ)などを執筆。最新刊は人間に大きな恩恵をもたらす一方で不思議な違和感をも生むデジタルの不気味さといかに向き合うべきかを説いた『デジタルは人間を奪うのか』(講談社現代新書)。
『NEXT WORLD』(NHK HPより)

【Vol.2】 デジタルテクノロジーはわれわれをどこへ導くのか。2015年はよりいっそうそのことを意識する機会が増えるに違いない。

1月3日から5回に分けて放送されているNHKスペシャル「NEXT WORLD」は、2045年を舞台としたドラマに最先端テクノロジーの取材を織り交ぜた番組で、著書『デジタルは人間を奪うのか』(講談社現代新書)で言及した近未来における人間とデジタルの向き合い方に通ずる内容となっている。

人工知能が人間の脳を超え、再生医療と3Dプリンターの組み合わせにより臓器が再生、平均寿命は100歳に達し、テクノロジーが亡くなった人を蘇らせる。

そのような世界において、人間はどのように生きることになるのかを問う。

番組内でテーマ音楽を奏でるサカナクションのライブ会場には、オーディエンスがアバターを通して遠隔参加できる設定となっており、現実と仮想の融合をイメージさせる。

これはひとまずライブにデジタルの分身を参加させる試みだが、ライブ会場にいなくてもその場にいるかのような体感を得られる次元にまで至った時には、本当の意味で現実と仮想の融合が実現する。テクノロジーによって、それが実現される未来はきっと訪れると考えている。

デジタルは人間を奪うのか
著者=小川和也
講談社現代新書/定価740円(税込み)

◎内容紹介◎

世の中を加速度的に変えていくデジタルは人間に大きな恩恵をもたらす一方で、不思議な違和感をも生んでいる。デジタルの不気味さといかに向き合うべ きか---。脳とコンピュータの接続、デジタル認知症、健常者の記録を破る義足アスリート、人間の仕事を奪うロボット・・・デジタルテクノロジーはわれわれをどこに連れていくのか。最新トピック満載の書。

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