高齢契約者への点検制度を創設
明治安田生命 喜寿や卒寿などの節目に調査実施[保険]

あしながチャリティー&ウォークIN東京」の参加者たち=東京都港区の増上寺で14年11月30日

生命保険大手「明治安田生命」(東京都、根岸秋男社長)は、高齢の契約者に対して連絡先の変更の有無を確認する「連絡先確認」と保険請求事案が発生していないかどうかを確認する「請求確認」を実施する「MY長寿ご契約点検制度」を創設した。2015年4月から実施する。1人暮らしの高齢者や認知症患者の増加などで、自らが契約している保険についての把握が困難なケースも増えていることから、保険金・給付金・年金の確実な支払いに向けて、高齢契約者などに配慮したアフターフォローの充実を目指す。

生命保険協会も「高齢者向けの生命保険サービスに関するガイドライン」を公表し、各社に対応を求めているなかで、同社が先行的に着手する。超高齢社会が生命保険会社のサービスのあり方も大きく変えようとしている。

「MY長寿ご契約点検制度」は、77歳の喜寿を迎えた際に実施する「喜寿点検」と、90歳の卒寿の「卒寿点検」のほか、99歳の白寿、108歳の茶寿、111歳の皇寿と長寿の節目を迎えた契約者を対象に「連絡先確認」と「請求確認」を実施する。

連絡先確認は返信はがき付きの特別通知はがきを送付する。返信がなければ、電話などによる確認を行う。90歳以上の長寿契約点検では、確認ができなかった場合には、市町村に住所確認を行ったうえで、直接訪問して調べる。

同社は11年度から名義変更や満期を迎えた保険金などの保全請求書の記入カ所を減らすなどの負担軽減措置を取ったほか、翌年度からは自分で署名が困難になった人について家族などの代筆による取り扱いを簡素化するなどの高齢者対策を取ってきた。

しかし、東日本大震災(11年3月)時に同社は被災地の契約者全員の安否確認で、住所変更や受取人変更の手続きを行っていない契約者の確認に多くの時間を要した。この経験を踏まえて、12年10月と13年2~3月に90歳以上の全契約者(1万1690件)への訪問や電話による請求確認調査を実施したところ、当初に確認が取れた契約者は7割にとどまり、そのうち死亡していた契約者が約600件に上ったことが判明。

さらに、13年4~12月にかけて、確認が取れなかった約4600件について追加調査を実施し、初回調査後に亡くなっていた人を含めて死亡していた契約者が870件だったことも分かった。最終的に確認できなかったケースも20件あった。

この調査などから同社は契約者以外の連絡先の把握の重要性や、同社側からの能動的な確認の必要性を認識した。今後の高齢化の進展を踏まえて、連絡先の変更をしないために連絡がつかない契約者や、保険請求の事案が発生しても申し出できない契約者が増えることが想定されるために、今回の制度の導入に踏み切った。同社には個人保険分野で65歳以上の契約が約250万件に上り、このうち終身保障型あるいは終身保障型への変更が可能な契約者が多数存在することなども配慮したという。

約款上は事案が発生してから3年が経過すれば時効が成立し、保険会社としては支払いの義務はないが、同社広報部は「3年経過後でも、申し出があれば支払うなど柔軟に対応している。超高齢社会の中で生命保険会社としても、より能動的な対応が必要と考えています」と説明している。

また、あわせて65歳以上の契約者に対して、16年度から営業職員に対して新規契約の際に、代理請求特約を付け加えることや、災害時を含めて契約者との連絡が取れない場合に備えて、所在確認のために事前に家族の連絡先を登録することを推奨する。さらに、既存の契約者に対しても来年度から65歳になった時点での登録を勧める。

営業職員が「地域見守り活動」

今回の点検制度導入について、根岸社長は「スムーズに導入に踏み切れた理由のひとつは、これまでに全国の3万5000人の営業職員、役職員が日々、お客さまを訪問する中で、子どもや高齢者を対象とした『地域の見守り活動』を実践してきたことだ」と話す。

同社は06年6月から、営業職員が通学路で不審者を発見した場合などに、最寄りの警察署などに通報する活動を展開している。営業職員は自治体の通報窓口、最寄りの警察署や学校などの通報先の電話番号を記載した活動プレートを名札ケースに入れて営業活動している。

また、高齢者についても、同じ洗濯物が何日も干されているなど異常に気づいた際に自治体の窓口に通報する活動を展開しており、3月に東京都立川支社、さいたま支社、山口支社が地元自治体と協力協定を結んだほか、9月末から全国に活動を広げている。こうした活動が評価され、10月には警視庁から都内で活動する営業職員ら130人が「振り込め詐欺被害防止アドバイザー」の委嘱を受けている。

また、11月30日には東日本大震災で親を亡くした遺児を支援する「あしながチャリティー&ウォークIN東京」が開かれ、3000人を超す参加者が東京都港区の増上寺からお台場までの約8キロを歩いた。「あしなが育英会」(玉井義臣会長)が実施する「あしながPウォーク10」の趣旨に賛同したイベントで、全国66カ所で展開した。昨年度は約1600万円を同育英会や被災した地3県に寄付している。

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