ドイツ
最高のソプラノリサイタルを聴いた、久しぶりに日本で過ごすお正月
〔PHOTO〕gettyimages

お正月らしさがなくなっていく日本の元旦の風景

久しぶりにお正月を日本で過ごした。東京の三が日は良いお天気だった。特に2日と3日は終日快晴で、本当に気持ちがよかった。

皆が「寒い、寒い」というけれど、ドイツの冬で鍛えられているせいか、ちっとも寒いと感じない。どちらかというと、家の中のほうが寒い。

それにしても、日本の元旦の風景は、ますますお正月らしさがなくなっていく。前回は、多くのデパートやお店が2日から開いているのに驚いたが、今回は元旦から開いていたお店もけっこうあった。これではなるほど雰囲気が出ないはずだ。

お正月早々、安売りに走るのは風情がない。「風情なんて何のため?」と聞かれれば、うまく答えられないが、無駄なところに手をかけるのが人生の贅沢だ。風情や風習や、無駄なものをすべて省けば、人生はとても味気ないものになるだろう。私は、実生活の役にも立たず、有意義な知識を学べそうにもないが、美しい文章が連なる長ったらしい小説を、仕事を放っぽり出して読んでいるときが一番幸せだ。これほどの時間の無駄はない。

ともあれ、昔は三が日は全部お店が閉まり、町の眺めが整然としていたのが、とても新鮮だった。コンビニもなかったので、大切な食材を買い忘れては大変という緊張感もあった。あの懐かしい風景がもう二度と戻って来ないと思うと、ちょっと悲しい。少しぐらい不便でも、一年に一度ぐらい、お店が全部閉まっているときがあってもいいのに。

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