悩みは新たなしくみをつくる「大きなヒント」となる。失敗を恐れる気持ちは捨て「どうすればできるか」だけを考えよう
小山昇『右肩下がりの時代にわが社だけ右肩上がりを達成する方法』【第5回】

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悩みは一生の友だち。なくすのではなく、仲良くする

私はたびたび、「小山さんに、悩みはあるんですか?」と聞かれることがあります。もちろん私だって、人並みの悩みや苦しみを持っています。
わが社が増収増益を達成しても、日本経営品質賞も2度受賞しても、著作が好評でも、悩みはいっこうになくならない。

「悩みは一生の友だち」が私の持論です。悩みは、決してなくなりません。悩みという風は、本人の頭を通り越して上司にあたり、上司が解決できない風は、社長の私に当たるという構図になっています。

また、自分のレベルが上がれば悩みがなくなるかといえば、決してそうではありません。より高いレベルの悩みがやってきます。
悩みは、逃げても逃げてもつきまとう「一生の友だち」です。だから、大切にしていくしかない。悩みとは仲良くつき合うのが、正しい。

私が経営者として未熟だったころは、何度となく倒産の危機を迎えました。「社長を辞めたほうがいいのではないか」「会社を売り払ったほうがいいのではないか」と追い詰められたことも、一度や二度ではありません。
ですが、止まない雨も、明けない夜もない。私はそのことがわかっているから、最後の最後のまた最後、そのまた最後まで努力を続けることができたのです。

経営の舵を取る上では、面倒な課題がいくつもあります。私はいつも、同時並行で悩み、そして、そのことを楽しもうとしています。

私が悩みを楽しめるのは、現在の悩みや、失敗や、困難が、将来、大きな財産に変わることを知っているからです。悩みは、新たなしくみをつくるための「大きなヒント」をもたらしてくれます。

失敗は、今までのやり方を捨てられるチャンスです。新たなことにチャレンジできるチャンスです。悩みや苦しみを抱えていても、歯を食いしばってやり過ごし、乗り越えることができたとき、かけがえのない財産になります。

極端な話をしますが、小学校1年生に高校1年生の数学問題を出して解けると思いますか? 解けるはずがありません。小学校1年生には小学校1年生の算数問題が出題されます。
つまり、あなたの目の前には、あなた自身が解決できるだけの問題しかやってこない。人生とは、案外そのようにうまくできているものです。

人生において、自分に越えられない悩みはやってきません。悩んでいることは、成長している証です。自分が成長できるチャンスから逃げていては、チャンスの神様に嫌われてしまいます。

今の悩みや苦しみも、いつかは過去のものになります。失敗を教訓として学び、改善を重ねることができたなら、過去はすべて「善」です。あらゆる人にとって「無駄な過去」は存在しません。