山崎元「ニュースの深層」
カテゴリーアイコン

DC&NISA大幅拡充の時代到来!?
「節税運用」を最大限活用する10のポイント

2015年01月08日(木) 山崎 元
upperline
一億総投資家時代、流れに乗りたいところだが・・・ photo Getty Images

投資を後押しする税制大綱

昨年末、12月30日に発表された自民党の税制改正大綱は、投資の世界の住人から見ると、なかなか意欲的な内容だった。もちろん、まだ国会を通って決定したわけではないし、決まるとしても詳細がどうなるかは未定だが、確定拠出年金(以下「DC」)とNISA(少額投資非課税制度)の大幅な拡充を目指すとしている。

特に、これまであまり普及が進まなかった個人型DCをより便利にして、拡充しようとする姿勢がみられる。特に大きいのは、サラリーマンの妻が広く対象に加わることだが、この他に、企業型DCを用意出来ない企業(中小企業など)が社員の加入する個人型DCに拠出する掛け金を所得控除の対象とすることの意味も大きい。何れも、これまでDCを利用しにくかった人々の加入を促進する。

昨年導入されたNISAでも、利用枠の拡大と「子供版NISA」の創設を目指している。

既に、国民の多くが加入する公的年金の運用が、内外の株式や外貨建債券など、リスク資産への運用資産配分を大幅に増加させることを通じて、国民の多額の資産が半ば強制的にリスク資産に投入されているが、DCやNISAといった利用する個人に責任がある運用を通じてもさらにリスク資産に投資せよと背中を押している訳で、政府はいわば「一億総投資家時代」を目指していると言えるだろう。

「国民に株を買わせて株価を上げようとしている」、「金融・運用業界のビジネスの顧客(カモ)を増やそうとしている」などの批判も可能だが、節税出来る運用の仕組みが出来、利用枠が拡がること自体は悪いことではない。

何よりも国民の資産運用の機会が拡大する。投資をしようとしている人は、税制上のメリットを使いながらやる方が有利だ。運用益に掛かる20%の税金が当面なくなるだけでも大きい。

加えて、DCでは、拠出金が所得控除され、つまり所得税・住民税を取られる前の所得から支出出来、この効果が大変大きい。一定以上の所得のある人にとっては、「(ほぼ)確実に儲かる」と言うことの出来る、数少ない金融サービスの一つだ。

もちろん、DCやNISAを使って資産を形成することは、多くの国民にとって老後の生活をより安心にする有力な手段ともなる。但し、これは、将来の公的年金が、今よりも、老後の生活を支えるにはずっと不十分なものになる公算が大きいことと同時進行している。諸々の動きは、「国を当てにせずに、国民各自が自分の老後の用意をせよ」という政府のメッセージでもあると受け取ってもいいだろう。ほろ苦い気分になるかもしれないが、これが現実であり、DCやNISAが無いよりもある方がずっとましなのだから、前向きに利用することを考えたい。

次ページ DCとNISAを利用する上での…
1 2 3 4 5 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ