テレビのヨミカタ
2015年01月07日(水) 高堀 冬彦

2015年、テレビ界はますます保守化する? マスコミの論調が偏ることの怖さを思い出して

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テレビ朝日HPより

テレ朝の朝日新聞からの独立と保守化傾向

2015年のテレビ界はどうなるのか? 巷では「個性派のテレビ東京がさらに躍進する」、「亀山千広社長の就任から3年目、2期目に入るフジテレビが巻き返すのではないか」などとかまびすしいようだが、視聴率面より大きな問題がある気がする。テレビ界の保守化の行方である。2015年は保守化がますます進むに違いない。

まず、このところ保守化傾向が垣間見えるのがテレビ朝日である。テレ朝は社名の通り、朝日新聞社系列であるため、リベラル派と目してきた視聴者が少なくないだろうが、最近もそうかというと、どうも事情が違う。

過去には疑いなくリベラル派だった時期もある。それが高じる形で、1993年には「椿発言問題」が起きた。当時の報道局長・椿貞良氏が「反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようではないか」と局内で発言したとされる問題だ。椿氏は衆議院に証人喚問されてしまい、テレ朝の放送免許取り消し処分まで検討された。

当時のテレ朝の社長は、就任したばかりの故・伊藤邦男氏。朝日新聞で編集局長まで務めた生粋の朝日人だった。問題の直前まで社長だった前任者の桑田弘一郎氏も朝日新聞で東京本社代表という要職に就いていた人。テレ朝と朝日新聞はあくまで別法人だが、70年代以降は朝日新聞がトップを送り込んでいたため、否が応でも朝日色が反映された。

今は違う。2009年にテレ朝で初のプロパー社長となった早河洋氏(71)が現在も代表取締役会長兼CEOとしてトップの座に君臨している。2014年6月に就任した吉田慎一社長(65)は朝日新聞出身だが、最高経営責任者はあくまでも早河氏。吉田氏はまだテレビ界に不慣れである上、年齢も6歳下なので、なにかにつけ早河氏に頼らざるを得ない状況とされている。

それでも過去ならば大株主である朝日新聞が、テレ朝をしっかりとコントロール下に置いていたが、その朝日新聞は一連の不祥事によってトップが変わったばかりで、まだ揺れている。しかも渡辺雅隆新社長は55歳で吉田氏の後輩。朝日新聞は自社の改革と安定化の優先を余儀なくされるので、テレ朝の舵取りは斯界の実力者である早河氏に委ねるしかないだろう。

つまり、テレ朝は朝日新聞からの独立色が強まっている。もはや朝日新聞がリベラレであろうが、テレ朝もそうだとは限らない。それは放送番組審議会の人選にも表れているように見える。2014年度からの委員長は見城徹・幻冬舎社長(64)。同社は約2年前に「約束の日 安倍晋三試論」(小川榮太郎氏著)を発行し、見城氏自身も安倍氏への支持を公言する。もしも朝日色が強いままであったなら、この人選が実現したとは考えにくい。ちなみに見城氏と早河氏、吉田氏の3人は一緒に首相官邸を訪れることもある。

2013年度までの放送番組審議会委員長は堀田力弁護士だった。元東京地検特捜部の辣腕検事でロッキード事件を担当し、故・田中角栄元首相に論告求刑をした人。少なくとも自民党が歓迎する人選ではないだろう。

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