歴史と伝統が息づく山王の高台に住む 【提供:野村不動産】

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闇坂(くらやみざか) 大田区山王2丁目~3丁目

Text by Tatsuro Hashimoto

文豪や実業家が愛した街

 大森は都内最古級の住宅街といえるかもしれない。大森貝塚が示すとおり縄文時代からこの地には人の暮らしがあったのだから。

 時代が変遷してもこの地に人は住み続け、江戸時代には幕府とゆかりの深い増上寺の寺領となる。品川宿と川崎宿の間宿として賑わい、歌川広重の浮世絵にも描かれる景勝地として江戸中に知られるようになる。新橋・横浜間に鉄道が通った4年後の1876年に大森駅が開業すると街はさらに拓けていく。1884年には大森・山王に東京郊外随一の遊園地となる八景園が開業。梅の名所として知られ鉄道唱歌にも歌われている。

 大正時代に入ると、山王地区には屋敷が並ぶ高級住宅街として発展していく。尾崎士郎や室生犀星、川端康成など、名だたる文豪たちが山王に移り住んでくる。また、政治家や実業家もこの地を好み、明治維新を成し遂げた井上馨、第23代内閣総理大臣となった清浦奎吾などが山王に住んだ。

 緑に囲まれ高台から東京湾を見下ろすこの地は、芸術家たちのインスピレーションを掻き立て、政治家や経済人の激務を癒したのだろう。

左)川端康成©朝日新聞社
中)尾崎士郎
右)文士のレリーフ(天祖神社)※平成26年5月撮影