ドルの上昇は米国の国益に適うか
ドル高はアメリカのためになる?                                                          photo Getty Images

2015年の世界経済はどう動くだろうか。2014年の経済環境を振り返ると、米国の堅調さが目立つ展開だった。2014まで、米国の株式市場は3年続けて2ケタ台の上昇率を記録した。それは、投資家の米景気への期待が高まっていることを反映している。

2014年、株式市場と並んで、ドルの上昇も顕著だった。それは、円が対ドルで年初の105円台から年末の120円程度にまで下落したことを見ても明らかだ。今後もドル上昇を見込む市場参加者は多い。しかし、ドルの上昇が続くことは米国にとって良いことなのか。

なぜドルは上昇したのか

米ドルの上昇は、利上げ観測という期待にドライブされている。米国の失業率は11月には5.8%まで低下し、リーマンショック前の水準を回復した。住宅価格も緩やかに回復している。これは今後、FRBが金融政策を引き締めるだろうという期待を高めている。

同時に、ドル以外に買うものが見当たらないことも事実だ。ユーロはデフレリスクやギリシャの政情不安に直面している。中国経済の減速を受けて資源価格が下落し、ブラジルレアルや資源国の通貨も軟調だ。それは、世界経済が米国頼みであることを示している。

加えて、米国のインフレ見通しは安定している。短期のうちにFRBのターゲット水準である2%の物価が達成されるとは考えづらい。そのため、市場ではFRBは利上げを急ぐ必要はなく、景気回復が阻害されることはないという見方も増えているようだ。