ピケティ本『21世紀の資本』は、この図11枚で理解できる

2014年12月29日(月) 高橋 洋一
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rとg

8~9枚目は、本書の主眼であるr(資本収益率)とg(所得成長率)の関係である。

「図 10.9. 世界的な資本収益率と経済成長率の比較 古代から2100年」

<税引き前の資本収益率は世界経済成長率よりも常に高いが、その差は20世紀に減少し、21世紀には再び拡大している。>

「図 10.10. 世界的な税引き後資本収益率と経済成長率 古代から2100年」

<20世紀中、資本収益率(税引き後、キャピタル・ロス計上後)は成長率を下回ったが、21世紀には再び上回った。>

第1次と第2次世界大戦の間と、第2次大戦後のしばらくの間は、rとgが比較的近くて、格差の小さい時期だったが、それ以外ではrはgより大きく、格差の大きい時期であることを明らかにしている

これらの主張は、かつてノーベル賞受賞の経済学者のクズネッツがいっていた逆U字仮説を覆すものだ。つまり、経済成長について、はじめは格差を拡大するが、一定レベルを超えた先進国では経済成長に伴い格差が減少する、との主張に真っ向から反している。

1930年~80年にかけて格差が縮小していたのは、大恐慌と戦争による資本の破壊という一時的現象であって、資本主義では、資本収益率が所得成長率より高いのが常で、先進国でも格差は拡大するというのがピケティの主張だ。

次ページ 10~11枚目は、税制に関する…
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