矢島里佳×遠藤貴子×村田マリ【第4回】起業家になる=女性としての人生を献上して結婚出産をあきらめるといった先入観をなくしたい
左から、本荘修二氏、矢島里佳氏、遠藤貴子氏、村田マリ氏
本荘修二氏の連載「明日をつくる起業家」の2周年を記念して、12月1日にアカデミーヒルズで開催されたイベント「女性起業家、明日への挑戦」。”0から6歳の伝統ブランドaeru”株式会社和える代表取締役の矢島里佳氏、東京限定のあられ・せんべい専門店「つ・い・つ・い」代表取締役の遠藤貴子氏、リフォーム・インテリアの情報サイト「iemo」代表取締役CEO/DeNA執行役員の村田マリ氏をゲストにお迎えし、女性起業家としての原点と生き方、未来について語っていただきました。

第1回はこちらからご覧ください。
第2回はこちらからご覧ください。
第3回はこちらからご覧ください。

事業転換期は、生きた心地がしなかった

本荘: では、このあたりで会場からの質問を受けましょう。

質問者A: みなさんはこれまできっとたくさんの壁を乗り越えてきたのではないかと思います。もし差し支えなければ今までの最大のピンチというか、もうダメだと思ったときのお話をお聞かせください。それをどうやって乗り越えたのかというところも含めて、ぜひリアルな話を聞きたいなと思います。

本荘: そういう話だったら、たとえば村田さんが会社の事業をゲーム分野に方向転換したとき、あれは絶体絶命のピンチを辛くも何とかしたってケースですよね?

村田: 私自身、これまであんまり大変だと思ったことはないんですが、思い返すといちばん大変だったなと思えるのは事業転換のときですね。元々受託製作と口コミのサイトの仕事をやっていたところで、ある日突然、「これから携帯ゲームの波がくると思います」とやっちゃったんです。中国に出張に行ったとき、現地でものすごく携帯ゲームが盛んになっていて、日本でもDeNAやGREEが「携帯ゲームのプラットフォームを作る」と発表していた頃なので、ある日突然「これから携帯ゲームの会社にします」って宣言して、「ついては、今受けている受託の受注を徐々にストップします」と。

売上を落としながら1人ずつゲーム事業に移動していくので、売上がまったくなくなったときにゲーム事業の売上が上がっていないとうちの会社は倒産します、ということで、個人保証で3000万円くらい借入をして始めたんですが、ところがゲームがなかなか出ないんですよ。開発がどんどん遅れてゲームが全然出ないんですが、従来の事業はもう半分シャッターを閉め始めていて仕事を断っているので、どんどん売上が落ちていったんです。

本当は元々の事業の売上を落としているうちにゲームができて、ふわっと事業転換できる予定だったんですが、飛行機で言うとまず着陸に失敗して胴体着陸に入り、機体を引きずっているようなハードランディングの状態で、最初に3000万円借り入れたんですが、1ヵ月目にもう800万円の赤字が出てしまいました。

次の月には出るだろうと思っていたんですがやっぱり出なくて、もう800万円赤字が出ました。さすがに3ヵ月目にはもう出るだろうと思ったらまだ出なくて、結局で3ヵ月間で2400万円の赤字が出て、「ああもう3000万円が底を突くから、来月出なかったらみんなにお給料払えないな」と思ったときにやっとゲームがリリースされ、一応売上がバーッと上がったんですよね。それがけっこう初っぱなからヒットタイトルになって、ギリギリのところでうまくゲーム事業が立ち上がりました。

その頃にはもう、前の業態の受注は完全に閉めていた状態なので、その事業転換の3ヵ月間ゲームのリリースが延びて、赤字を引きずりながら胴体着陸のまま大破して会社がなくなるのか、というふうにハラハラした3ヵ月間は、さすがに生きた心地がしなかったですね。でも、結果的にはふわっと離陸できたので、今は笑い話として話せますけどね。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら