本荘修二「明日をつくる女性起業家」

矢島里佳×遠藤貴子×村田マリ【第1回】日本の伝統産業や保存食を次世代につなぎ、世界へ発信していくために

2014年12月30日(火) 本荘 修二
upperline
左から、本荘修二氏、矢島里佳氏、遠藤貴子氏、村田マリ氏
本荘修二氏の連載「明日をつくる起業家」の2周年を記念して、12月1日にアカデミーヒルズで開催されたイベント「女性起業家、明日への挑戦」。”0から6歳の伝統ブランドaeru”株式会社和える代表取締役の矢島里佳氏、東京限定のあられ・せんべい専門店「つ・い・つ・い」代表取締役の遠藤貴子氏、リフォーム・インテリアの情報サイト「iemo」代表取締役CEO/DeNA執行役員の村田マリ氏をゲストにお迎えし、女性起業家としての原点と生き方、未来について語っていただきました。

本荘: 私はライフワークとして起業家をずっと追い掛けているんですが、今回の連載では女性起業家に焦点を当てています。ビジネスをやる上で女性でも男性でも差はないわけですが、「女性のほうが話が面白い」という例がけっこうありまして。男性起業家がつまらないって言ってるわけじゃないですよ(笑)。

では、今回はスペシャル版としてお三方にお話しを聞いていきます。まずは、それぞれ自己紹介をお願いします。

日本の伝統をつないでいきたい

矢島:株式会社和える代表取締役の矢島里佳と申します。「和える」という社名とこのロゴには、古き良き先人の知恵と、今を生きる私たちの感性や感覚を混ぜてしまって、それを別のものにするのではなくて、両方の本質や原点に立ち戻って、それらの魅力を引き出して和えることで、より魅力的な日本を次の世代につないでいきたい、そんな思いが込められています。

では、私たちは何をしたいのかと申しますと、日本の次の世代を担う子どもたちに先人の知恵、日本の伝統をしっかりと引き継いでいきたい、つないでいきたいのです。それをどのように実現しようかと考えたときに、伝統産業という今まで大人向けの商品を作ってきた市場と、赤ちゃんや子ども向けの市場、このまったく別々の市場を和えることで、新しい市場を開拓しています。

いちばん最初に誕生したのが、「徳島県から本藍染の出産祝いセット」という商品でした。デザイナーさんや周りの人たちの力を結集させて、和えることで生まれていくのが和えるの商品です。基本的に私たちとデザイナーさんと職人さん、この三者間でそれぞれの知見を和えることで、日本の伝統産業の職人の技術で子どもたちが日常的に使える日用品を作る、ということをやっております。構想からここに至るまで約4年くらいかかりました。

私たちがいちばん伝えたかったのは、「幼少期こそ本物に触れる機会を生み出すことが大切なのではないか、感性が豊かで本当にキラキラ輝いている赤ちゃんや子どもたちにこそ良い物を使ってもらいたい」という想いです。

次に作った「こぼしにくい器」は、「大人になったらこんな使い方はいかがですか?」というようなこともご提案してます。たとえば、伝統工産業品について多くの方は、「けっこう高いんじゃないの?」というイメージを持たれているかもしれません。たしかに赤ちゃんのときにしか使えないなら、この価格だと高いと感じるかもしれませんが、それを5年、10年、20年と、大人になっても使えるとしたら、むしろ安いのではないと思います。

小さいときからずっと同じ器を使い続けると、物自体にも愛着が湧きますし、もし壊れても修理しながらずっと自分の成長とともに使い続けていくようなものがあったら、やっぱり何だかすごく嬉しいなと思います。和えるの商品は「0から6歳の伝統ブランド」を謳っているのですが、小さいときから一生使い続けられるということを大切にモノづくりをしております。

私自身、和えるを立ち上げて、そして今年何とか3年目を過ぎたところで、やっと念願の直営店をオープンさせることができました。目黒駅から歩いて3分のところに「aeru meguro」ができましたので、皆さんもぜひ、和えるの世界観を体感しに遊びにきていただけたら嬉しいです。

日本の伝統産業の魅力を"伝える"仕事

本荘: 伝統産業の職人さんの手って、マジックですよね。

矢島: 同じ人間の手とは思えないですよね。

本荘: 職人の技がすごいと気がついて、取材をしてJTBとか週刊朝日の連載とか、いろいろ情報発信をやったんだよね。情報発信で何か世の中が変わったかというと、どうでした?

矢島: 私は元々ジャーナリストを志望していました。そこで何を伝えたいかなと考えたときに、「日本の伝統産業だ」と思ったのですが、情報を発信するだけでは何も変わらなかったんですね。なぜ、伝統産業が衰退してしまったのか、様々な要因はありますが、「知らない」という言葉に集約されるのでは、と気がつきました。日本に生まれながら、幼少期に日本の伝統産業品に触れたことがない人たちが、今は20代、30代の大人になっているんです。

それであれば、幼少期に触れる機会を創出すればいいんだと思いました。そう思って、もう一度、伝統産業界を見回すと、子どもたちのためのモノづくりをしている職人さんはほとんどいなかったのです。そこで、赤ちゃん・子ども向けの日用品を、伝統産業の職人さんの技術を用いて作り、幼少期から、日本の伝統に触れられる環境を生み出すところから始めることにしました。そして、モノを通して伝えることで、日本の伝統を次世代につないでいきたいと思ったのです。

次ページ 本荘: 最近クールジャパンとか…
1 2 3 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事