【ギャンブル依存症のリアル】(後編)
妻の覚悟が夫を変える! 私たちはギャンブル依存症からどう立ち直ったのか

先頃のクラウドファンディングは目標額を20%上回る約120万円を集めた

大ピンチを乗り越えるためのフェローシップ

そうしているうちにギャンブラー本人が「自分の力ではどうにもならない」と認め、明確ではなくても、「回復するしかない」と思うようになります。家族はそこでお金を与えるのではなく「どうすれば良いか、自助グループで聞いてきたら?」とか「病院に行ってみたら?」と、治療への道筋を案内し、時には、私のような第三者が介入して、依存症の治療施設へ入寮させることもあります。

お金の工面をしなければ、会社を解雇されたり、場合によっては逮捕されたりすることもあります。死を選ぶ可能性もゼロではありません。けれども家族は「もう同じことを繰り返さない」「真の手助けをしよう」と覚悟を決めて臨むのです。実際、家族が腹をくくると、状況が上手く回り始めるケースがとても多いことを私たちは体験から知っています。

本当は、事態が大きく動く時は、支える私たちも恐いのです。変な話ですが、依存症から回復さえすれば、解雇や逮捕などはいくらでも取り返しがつくものです。けれども死んでしまったらそれは取り返しがつきません。でも、私たちは「必ず助かる」と信じ、励まし合い、支え合い、大ピンチを乗り越えるのです。それが日頃のプログラムと仲間との間に生まれたフェローシップの力なのです。

こうして、何組もの家族の再生を体験しました。私たち夫婦も、仲間に支えられながら、回復していきました。4年前には夫が会社を興し、私も今年「ギャンブル依存症問題を考える会」を旗揚げしました。お陰さまで夫の会社は4年間で従業員が30名まで増え、順調に業績を伸ばしています。「考える会」も、設立してまだ1年足らずながら、全国各地で講演に呼んでいただき、メディアに取り上げていただく機会にも恵まれました。

夫は、今では私の最高のパートナーであり、良き理解者です。忙しく全国を飛び回る私に文句ひとつ言わず、子供たちの面倒を引き受けてくれ「なんでもやりたいことやっていいよ」と言ってくれます。「僕は、あなたと結婚していなかったら絶対に助かっていなかった」と、常に依存症からの回復に二人三脚で臨んできたことに感謝してくれ、自分たちが助かったこの経験を、より多くの人に伝える使命感を共有してくれます。