井上久男「ニュースの深層」
カテゴリーアイコン

NHKドラマ「ダークスーツ」が示す、「industry4.0」を勝ち抜くビジネスモデルとは

2014年12月27日(土) 井上 久男
upperline
ニッポンものづくりの未来を考えさせるドラマ『ダークスーツ』は27日が最終回(NHKのHPより)

ドイツを中心とした欧州の産業界から発信された「industry(インダストリー)4.0」という考え方が日本でも注目を浴び始めている。「industry(インダストリー)4.0」とは、「第四次産業革命」という意味合いが込められている。

ドイツは「第四次産業革命」を産官学共同で進める

第一次産業革命が18世紀の蒸気機関発明による機械化、第二次が19世紀の電力の産業への利用、第三次が20世紀後半に普及し始めたインターネット等のIT技術を駆使した製造工程の自動化と続いてきたが、これから起こり得る第四次産業革命とは、端的に言えば開発から生産、販売、物流までのサプライチェーン全体を「スマート化」し、品質、価格、納期、サービース等商品力全体の向上を目指すものである。

たとえば、短期間で、多様な顧客の価値観に応えるため、多品種の商品を開発し、それが少量生産でも利益が出るように工場のシステムを効率化し、顧客の必要とする時に的確に届くといったイメージである。あるいは、これまでの工場では、安全性の問題などからロボットと人間が作業するスペースは区別されていたが、センサー技術をより進化させ、ロボットと人間を同じスペースで協業させながら作業を進めていくような発想も含まれる。

また、自動運転の開発などでは、ハードとソフトの融合が成否を握るポイントのひとつとなるだろう。たとえば、人工知能などで認知したデータがエンジンやブレーキの制御に伝わり、実際に機械である車がその指示通りに動くためには、優れたソフトの開発だけでも対応できないし、ハードだけでも対応できない。

こうしたハードとソフトの融合を強化して製品力を高めていく競争も第四次産業革命では起こるのではないだろうか。

ドイツは国家戦略として、この「industry4.0」を産官学共同で進めている。2011年にドイツは「ハイテク戦略2020行動計画」を発表し、2020年までに目指す産業の姿が提示された。こうした発想が生まれてくる背景には、主にグローバル化への対応と、コスト競争力の面で台頭してくる新興国との競争の激化がある。

日本と並んで「ものづくり力」では相対的に優位に立ってきたドイツも、うかうかしていると競争から劣後してしまうという危機感が、産官学のリーダーの中で共有されたのであろう。

次ページ 同時にこれは、当然ながら日本の…
1 2 3 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事