『デジタル・キュレーション2020』メディア業界「100年に1度の変革期・黄金期」をどう生かすのがよいか」
市川裕康 (ソーシャルメディア・コンサルタント)
海外のデジタルニュースメディアトレンドに関する専門サイト・専門家のウェブサイト

新しいメディア業界の黄金期

2014年の国内外のメディアトレンドを振り返る際、強く感じられることがあります。モバイル化、ソーシャルメディア経由での情報流入が増えたことで、私たちの日々のニュース・情報収集のスタイルが大きく変わりました。

電車などに乗った際、あまりに多くの人がスマートフォンの画面に見入っている風景も次第に当たり前になっていくのかもしれません。

国内での大きな出来事としては、SmartNews、Gunosy、NewsPicksなどのニュースキュレーションアプリが大きな話題になりました。多額の資金調達、優秀な人材の参画も進み何十万、何百万ものユーザーを獲得、スマートフォン経由で多様な情報源から選別されたニュースを消費することが既に生活の一部になっている方も多いのではないでしょうか?

海外に目を転じると、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどの老舗大手新聞社がデジタル化に必死に取り組む一方で、新興メディアが次々と誕生し、資金調達から著名記者・編集者の移籍、新しいビジネスモデルの提示など、「100年に1度の変革期」「新しいメディア業界の黄金期」などの言葉が飛び交い、国内外でメディアの変革・イノベーションに関してのカンファレンスやセミナーなども数多く開催されました。

ネコの写真や注目を惹くリスト形式のタイトルなどで注目を集め、特にモバイルデバイス、Facebookなどのソーシャルメディア経由で若い世代からのアクセスを急速に伸ばしている「バズフィード(BuzzFeed)」というニュースサイトがあります。

2014年11月には月間訪問者数が2億人、Youtubeチャンネルの視聴数は7.5 億回を超え、2014年の年間売上額は1億ドル(約120億円)を超えたと発表されるほどの規模になりました。(ボーナスとして社員全員に来年アップルウォッチが支給されるなど、勢いのあるニュースが1年を通じて数多く報道されていました)。

バズフィード(http://www.buzzfeed.com/)も日本進出

1年前には約300人ほどだったスタッフはいまやピューリッツァー賞受賞記者含むベテラン記者含め約700名の規模に増え、シリアやウクライナなどの紛争地を含む20カ国に100人以上の記者を擁し、英国、オーストラリア、ブラジル、ドイツ、スペイン、フランス、インドなどの各国版サイトも次々と開設され、日本語版も近い将来開設が予定されているとのことです。

日本国内ではネガティブな印象を持たれているいわゆるバイラルメディアサイトの先駆けとして知られているバズフィードではありますが、同社がメディア業界に持ち込んだインパクトは今後のメディアのあり方を考える際に無視できない数多くのエッセンスが込められています。コンテンツをより多くの人に届けるためのモバイル・ソーシャルに注力した「読者開発(Audience Development)」分野におけるテクノロジー活用、スポンサード・コンテンツなどの広告手法、データ分析の徹底的な活用などです。

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