賢者の知恵
2015年01月01日(木) 週刊現代

使えるようになった「新薬」もうすぐ使える「新薬」一覧 
あきらめるな、医学は日々進歩する がん 脳卒中 糖尿病 花粉症 ほか 

週刊現代
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1年前ならあきらめるしかなかった患者の命が、新薬によって救われている。これまでは考えられなかった効果を持つ薬が、次々と開発されているのだ。知らないと損をする最新情報を、徹底調査した。

「ドクターX」も使った

1年でも長生きすれば、その間に新薬が開発され、不治の病とされていたものが「治る」可能性も出てくる。医学の進歩とはそういうものだ。

グリオーマと呼ばれる悪性の脳腫瘍。非常に予後悪いがんだ。手術でできる限りがんを切除することが基本的な治療法となるが、周囲の脳組織に浸潤したがんを取りきることは難しい。

「手術の後に、放射線と抗がん剤治療を同時に行うのですが、手術の傷痕がきれいになってからでないと放射線は当てられない。悪性度の高い脳腫瘍の場合、手術の傷痕が治るのを待つ間に再発してしまうこともあるんです」(立川病院脳神経外科部長・矢崎貴仁氏)

再発した場合、さらに状況は厳しいものとなる。もう手の施しようがない—医師からそう告げられ、患者はあきらめるしかなかった。この、手術から放射線治療までの「空白の時間」が、患者の命を奪ってきた。

だが昨年、この「空白の時間」を埋める画期的な新薬が登場した。「カルムスチン」がそれだ。

「手術で腫瘍を取ったところに、貼り付けて置くシールのような抗がん剤です。貼ったあと、薬の成分が徐々に染み出してがん細胞に直接作用する。放射線治療までの間に再発するのを抑えられるのです。実際、これを使うことで患者さんの予後はよくなっていると感じています」(矢崎氏)

じつはこの薬は、テレビ朝日系の人気医療ドラマ『ドクターX』にも登場している。天才外科医・大門未知子でさえも「取りきれない」と判断した悪性脳腫瘍の男性患者に、カルムスチンを使用し、見事、彼の命を救ったのだ。ドラマの世界だけでなく現実にも、この新薬によって命を長らえた患者が多数存在している。

腹腔鏡手術、ロボット手術、陽子線治療といった機械を使った治療だけでなく、「薬」の分野でも、がん治療は飛躍的な進歩を遂げている。

「近い将来、早期のがんであれば、手術をせずに薬だけで治せるようになると思います」

虎の門病院臨床腫瘍科部長の高野利実氏はこう話す。カルムスチンのように使い方が新しいだけでなく、新たな成分の開発によって、「よく効く」薬が次々と開発されているからだ。

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