メディア・マスコミ
朝日新聞はまもなく3度死ぬのか!? 
2014年私の3大ニュースの今後を読む

長谷川 幸洋 プロフィール

 朝日新聞の第三者委員会報告には驚いた

それからマスコミである。2014年は朝日新聞問題に火がついた1年だった。朝日は12月23日の紙面で、慰安婦報道や池上彰氏のコラム掲載見送り問題について第三者委員会の報告と提言を大々的に報じた。これをどうみるか。

私は、新聞が自分の問題点を検証する仕事を第三者委員会に丸投げしたこと自体が、報道機関の責務を放棄している、と考える。「報道と論評の独立・自立」を売り物にする報道機関が紙面の検証を第三者に丸投げして、ご意見を拝聴しているようでは独立も何もない。これは原理原則の問題である。

そういう視点から、私は『月刊Voice』11月号で「朝日は有識者による第三者委員会で『2度死ぬ』羽目になる」と書いた。今回の報告と提言を見て「やっぱり2度死んだ」と思った。謝るだけで、自分たちの考えはないに等しかったからだ。

本来なら、第三者に指摘される前に自ら検証し「ここが問題だった」と分析して、改善策を講じなければならなかった。そういう努力の形跡がない。自分の仕事を他人に丸投げしたからだ。

第三者委員会報告の要約版を掲載した紙面を見ても「どうなっているのか」と思う部分があった。委員の1人、田原総一朗氏は「謝罪することで朝日の批判勢力をエスカレートさせてしまう恐れがある、と報告書が書いている」と紙面で指摘していた。

「どういうことか」と思って、私は紙面を探してみたが、要約版にそんな箇所はない。そこで朝日のサイトにある報告書全文(http://www.asahi.com/shimbun/3rd/2014122201.pdf)をチェックしてみると、たしかに次のように書いていた。

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謝罪することで朝日新聞の記事について「ねつ造」と批判している勢力を「やはり慰安婦報道全体がねつ造だった」とエスカレートさせてしまう恐れがある、朝日新聞を信じて読んでくれている読者の信用を失うといった意見から、謝罪文言を入れないゲラ刷りも作成された。

(中略)経営上の危機管理の観点から、謝罪した場合、朝日新聞を信じてきた読者に必要以上に不信感を与える恐れがあること、朝日新聞を攻撃する勢力に更に攻撃する材料を与えること、「反省」という言葉で表現することで謝罪の意を汲んでもらえるとする意見などにより、結局、謝罪はせず、他方、吉田氏にまつわる16本の記事については記事そのものを取り消すという対応をすることとした。

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この部分には本当に驚いた。報告書は池上コラムの不掲載を決めたのは、実質的に辞任した木村伊量社長の判断だったと認めたが、批判を受け入れない姿勢はここでも一貫している。朝日は自分の批判勢力を利さないかどうか、を紙面作成の判断基準にしていたのだ。