政府が後押しする企業のガバナンス改革には
「3つの心配」がある

問題だらけのガバナンス改革

近年、政府は日本企業のガバナンス(企業統治)の改革に熱心だ。ガバナンス改革は、アベノミクスの「第三の矢」たる成長戦略の一つにも位置づけられていて、日本版スチュワードシップ・コードの制定や、ROE(自己資本利益率)を高めることを促す試みなど、方々で顔を出す。

結局のところ経営者の利益を代表するいわゆる「経済界」も、社外取締役に関するルールの追加など、経営者の自由度を制約するような内容には警戒感を持ちつつも、表立っては反対しにくい内容であり、ゆっくりとではあっても今後それなりに進みそうだ。

筆者自身も、日本企業のガバナンスには問題を感じている。上場企業同士の株式持ち合いによる経営者の集団的「甘やかし合い」の仕組み、機能しないことが多い社外取締役、キャッシュ性の資産を多額に抱えがちな資産の利用効率の悪さなど、特に投資家・株主の立場から見て不満に思う点は少なくない。これらを改革するルール作りには大賛成だ。

しかし、現在政府が進めつつあるガバナンス改革の中には、他の政策との整合性、制度的な建て付けの悪さ、悪用されかねない可能性など、少なからず心配な点がある。本稿では、問題点を3つ挙げてみたい。

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