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週現「頭の体操」直感ほどアテにならないものはない「平均寿命までに半数の人が死ぬ」——○か×かほか全8問

我々は日常生活のほとんどを直感に頼って生きている。しかし、思い込みや錯覚がジャマをして、必ずしも正確とは限らない。あなたの「直感力」は果たして正しいのか。8問のクイズで試してみよう。

専門家でもダマされる

男女ともに人生80年の時代になった。今年発表された日本人の平均寿命は、男性が80・21歳、女性が86・61歳。男性が初めて80歳を超えたのである。

だが、ちょっと待ってほしい。(1)「平均寿命」ということは、それまでに半数の人は死んでしまうのではないか……。

実際はどうだろう。統計を見ると、男性の79歳時点での生存者数は、10万人あたり6万1985人。80歳時点で、5万8902人。約59%の男性が存命である。生存者数が半数を切るのは82~83歳の間。つまり、半分以上の人が平均寿命より長生きする。女性の場合も同様で、生存者数が半数を切るのは89~90歳だ。

あなたが直感で信じている「常識」が、実は間違っている—。こんな意外な現象を集め、数学的に説明して話題を呼んでいるのが、『直感を裏切る数学「思い込み」にだまされない数学的思考法』(講談社ブルーバックス)だ。著者である東北学院大学教授の神永正博氏(47歳)が語る。

「私たちは数字に囲まれて生活しています。ところが、その数字の意味をよく知らないまま、直感的に判断してしまうことが多々ある。センスや直感を過信しないのが数学の基本ですが、時として専門家でさえ間違いを犯してしまうんです」

冒頭に挙げた「平均寿命」も、数学などで習う、使い慣れた「平均」とは、まったく意味が違う。要素となる生存者数は、最初のうちはあまり減らないが、後半に急に減少しはじめる。単純に足して割る、というものではないのである。問いの答えは「×」だ。

今までは、「そんなことは当たり前」と思い込んでいても、直感ほどアテにならないものはない。目からウロコの「頭の体操」に挑戦しよう。

(2)車で、行きは時速100㎞、帰りは時速20㎞で同じ道を往復した場合、平均速度は、時速60㎞である。

丸尾浩さん(仮名・55歳)は、正月用に東京から沼津まで魚介類の買い出しに出かけた。東名高速を使って片道約100㎞の距離だ。

「行きは時速100㎞近く出せたけど、帰りは大渋滞に遭って時速20㎞のノロノロ運転。結局、平均時速60㎞で往復したわけだから、帰宅までにかなり時間がかかったように感じた」

丸尾さんは頭の中で、(時速100㎞+時速20㎞)÷2=時速60㎞という計算をしたのだろう。しかし、この直感的な数字も「×」。正しい計算式はこうだ。

行きにかかった時間は、100㎞÷時速100㎞=1時間。帰りは、100㎞÷時速20㎞=5時間。