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コンピュータが同時通訳をする時代---スカイプの新サービスはディープラーニングの試金石

 
マイクロソフトのインターネット通話ソフト「スカイプ(Skype)」が先日、新たに同時通訳サービス(ただし利用者を限定した試験運用)を開始した。

上のデモ動画にあるように、当初は英語とスペイン語の同時通訳から始めて、徐々に対象言語を拡大していく方針という。この同時通訳サービスには「ディープラーニング」と呼ばれる最先端のAI(人工知能)技術が使われており、その並外れた威力が一般ユーザーにも実感できる最初のケースになるかもしれない。

同時通訳のレベルは未知数

このデモ動画はあくまでもプロモーション・ビデオだが、そこで交わされていた子供同士の単純な会話であれば、恐らくスカイプの同時通訳が実際に使われた場合でも、動画で示された程度のパフォーマンスを見せるだろう。ただしビジネス・パーソン同士の交渉や、商談に使われるような複雑な会話となると、そうとは限らない。

また翻訳される言語の種類によっても、パフォーマンスに大きな差が出るかもしれない。たとえば英語とスペイン語、あるいはドイツ語など、欧州系の言語同士であれば、かなり高精度の翻訳が期待されるが、英語と日本語のように全く異なる体系に属する言語間では、翻訳の精度が低下することもあり得るだろう。

が、(ちょっと混乱を招くかもしれないが)そんな懸念とは正反対に、この同時通訳サービスは、どんな状況でも高いパフォーマンスを示す可能性も十分ある。その可能性はまさに「ディープラーニング」の本質に関わっていることなので、以下、その点をなるべく分かり易く解説していくことにする。