勝間和代×渡辺由佳里【前編】「具体的な目的のない努力は疲れるのでやめにしましょうよ」
勝間和代さんと渡辺由佳里さん
どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)というエッセイを上梓した洋書のレビュアーであり、翻訳家の渡辺由佳里さん。その執筆中にずっと頭にあったのは勝間和代さんが多数の書籍やインタビューの中でおっしゃっている「努力」についての話だったという。そこで、書籍の刊行を記念して、お二人の対談を行いました。「疲れない努力のしかた」と「助け合う人間関係」をテーマに、お二人の"楽しく生きるコツ"を紐解いていきます。

「あなたはそのままでいい」がダメな理由

渡辺: 今日はお目にかかれてとてもうれしいです。というのも今回の本は、「人生に悩んでいる人が、どうすれば自分にあった努力をして、楽しく生きられるようになるか」を書いたものなんですが、執筆中ずっと頭にあったのは、勝間さんが「努力」について普段からおっしゃっていることだったんです。

勝間: ありがとうございます(笑)。

渡辺: 簡単に経緯を説明させていただくと……。以前、勝間さんと香山リカさんの対談本を読ませていただいたんですね。ところがその……読んでいるうちに、もどかしさを感じてしまって……(笑)。

勝間さん、努力で幸せになれますか』(朝日新聞出版)

というのも、あの本での香山さんは、一貫して「努力なんてしなくていい」とおっしゃっていますよね。勝間さんのおっしゃる「努力」の意味をちょっと誤解なさっているような感じがしたんです。そのことがずっと頭にありまして。

勝間: なるほど(笑)。

渡辺: まず、勝間さんはなにも「みなさんも私を目指して努力しなさい」と言っているわけではない。たとえば、私はヒラリー・クリントンを尊敬していますが、ヒラリーを目指そうとは思わないわけです。なれないし、なる必要もない。

それから、これも本に書いたことなんですが、「苦しい努力」あるいは「努力するのが苦しい時期」というのは、確かにあります。でも、そんな状況にある人に対して、「努力なんかしなくてもいい、そのままのあなたでいい」というメッセージは、慰めにならないどころか、危険だと思うんですね。つまりそれは、「あなたは努力しても無駄だから、あきらめなさい」というメッセージと受け取られかねず、かえってその人を意気消沈させてしまう。

勝間: ああ、わかります。

渡辺: 人生がつらい人は、自分のことが嫌いだから悩んでいるわけです。で、自分を好きになるためには、やっぱり努力をしなければならない。努力しても期待した結果が出ないで悩んでいる人にたいして、巷の自己啓発書にあるように、「努力なんかしなくていい、あなたはそのままでいい」ではいけないと思うんです。

ただし、もしも努力がつらくてたまらないとしたら、それは「努力の方向性がまちがっている」可能性がかなり高い。ということは、「どうやって正しい努力をするか」というテーマは、おそらく私だけでなくて、多くの人にとって切実だと思うんですね。というわけで、きょう勝間さんとお話ししてみたいテーマの1つは、「楽しい努力とは何か」です。

勝間: いいテーマですね。もしくは「疲れない努力のしかた」と言ってもいいかもしれません。

渡辺: そうですね。もう1つのテーマは、勝間さんがよくお書きになっている「足を引っぱりあう関係ではなく、助け合う関係を作ろう」ということについてです。たとえばツイッターは、使いかたによっては「助け合う人間関係」をつくるのにすごくいいツールですよね。

勝間: なるほど。「疲れない努力のしかた」と「助け合う関係」ですね。ぜひ。